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新・落語スズメvol.44

『台所おさんさん』

文/松田 一成

予定していた落語会が急遽中止となり、久留米に放り出された噺家二人と、打ち上げではない、ただの飲み会となった。場所は日吉神社の斜交いにある豚バラがとてもチャーミングなお店。以前久留米のハンバーグにはまっている師匠の話を書いたが、今回のお二人も最初から店は御指名でした。話の中心は、そのうちのお一人、台所おさん(だいどころおさん)師。ご近所柳川市のご出身。福岡大学を卒業後(体育会系の野球部に在籍)、思うところがあって役者を目指し上京。そこでまた思うところがあって、平成14年、落語界のプリンス柳家花緑師匠に入門。この時、師匠花緑よりおさん師の方が年上。もちろん、花緑師、初めての弟子がこのおさん師である。ままあって、前座『柳家花ごめ』、二つ目で『台所鬼〆(だいどころおにしめ)』。鬼〆を名乗ったときには、伝説の名跡(?)復活と、柳家一門、一部落語マニアのなかで大騒ぎとなりました(落語雑誌で特集が組まれる程!)。平成28年春『台所おさん』で真打昇進、ご本人曰く、物(煮しめ)から人(おさんどん)へ進化とのこと。この名前、先代小さん(人間国宝、花緑師のおじいちゃん)が大変気に入って、天狗連(素人落語家)から譲り受けたとかで、柳家に入門者があればこの『台所おさん』を必ず勧めたらしい。しかしながら、小さんの生前、この愛らしい名前を選ぶ弟子は現れず、伝説の名跡といいながら、結局、目の前のおさん師が初代。そのおさん師初高座の日に五代目小さんは息を引き取ったという、実は柳家の秘密兵器ではないかとの噂。同じ年頃の気安さからか、おさん師の「秘密のまま、世間に知られず噺家生命が終わりそうだ」で大笑い。酒がすすんだ。当のおさん師は件の豚バラ以上に、ゆでて炙る久留米の豚足を気に入ったようで、次回も是非と、落語会のことはすっかり忘れて飲んでいた(笑)いやいや、次回は是非、久留米の皆様にも落語でそのフラをお伝えください。

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