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新・落語スズメvol.40

『博多座その後』

文/松田 一成

落語界、暮れの風物詩、博多座『立川志の輔・立川生志兄弟会』も二廻り目、11回を数えた。人気イベントで、平日16時開演もなんのその、1,400余りの席は発売当日にソールドアウト。主役の生志師にとって、今年はテレビのほかに、地元ラジオでの冠番組のレギュラーも始まっての大人気、お客様にはその業界筋の方も多かったように思う。アタシも万難を排し伺ったが、チケットを手に入れられなかったお客様も多かったと聞いた。が、今日はその話ではない。それから二日後、久留米市内某所にて生志師の落語会をお手伝い。雑居ビル3階の小さなホール、コロナ禍もあり、定員を減らして30人余り。ではあるが、生志師を二つ目(真打に上がる前の階級)の頃からご覧いただいている長いお客様も多い会だ。出囃子『あじゃら』が掛かり高座に上がって開口一番、「先日の博多座、ご覧になられた方はいらっしゃいますか?」の声に3人ほどが手を挙げる。それを確認すると「博多座は練習、本番はこの会です。」と客席の笑いを誘う。続けてご常連さんご期待の世相を斬るマクラから落語芸術協会会長、春風亭昇太師にも褒められたという新作2席。『逃亡7日目ニシキヘビどこへ~フューチャリング仁義なき戦い~』と、高校将棋部が舞台の『パワハラ部長』。仲入りを挟んでのトリネタは『明烏(あけがらす)』。博多座の再演だ。廓(くるわ)が舞台の若旦那初体験物語。花魁にモテて、布団から出られない若旦那に、町内の札付き源兵衛・太助が焦れるさまを甘納豆の応酬で表現する仕草があるのだが、これがこの話の見どころ聞きどころ。博多座ではことさら大袈裟にやらないと1,400人には伝わらないところを、この会場では本来の落語の語りで丁寧に丁寧に進めていく。源兵衛・太助を上下(かみしも)で振る師匠の熱演に客席は思わずその甘納豆が飛んでくるのを待っている雰囲気。すばらしい。本番はこっちだというさっきの発言はまんざらでもなく、これぞ話芸。アタシも新宿花園饅頭の『ぬれ甘なつと』が無性に食べたくなりました。秀逸なサゲの後はお客様と一緒に三本締めでお開き。博多座の豪華さにはかないませんが、落語本来を味わう贅沢な会でありました。

追伸 ということで、本年もよろしくお願いいたします。初席は『立川生志独演会』1月12日(水)開演 午後7時、点心ホール『シーダ・ハウス』久留米市日吉町13ー32 点心3F

お問い合せ/090(4987)5711

料金/3,000円。

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