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むすんで、ひらいて!! vol.87

「発達障害の早すぎる判断(診断)は正しくないこともある」202108wakaba.jpg

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー特別認定 第107001号 野田 鏡子

今回は、先月号ご紹介しました『子どもの発達障害誤診の危機』という本の中で、特に心に残ったところをお報せいたします。

『2歳児で自閉症スペクトラムと診断された子どもが、その後、言葉が加速し、こだわりもなくなり、幼稚園に就園するころには定形発達児と変わらなくなったために、私は定形発達であるという診断を出しました。

自閉症スペクトラムを含めた発達障害は遺伝子が関与する生得的(生まれつきの)障害であり、基本的には治るものではないというのが常識です。しかし、私はそうした常識は正しくないとほぼ確信しています。

その理由はいくつかあります。発達障害には3つの異なる障害(自閉症スペクトラム障害・注意欠陥多動性障害・学習障害)がありますので、それぞれについて述べます。

自閉症スペクトラム障害は、社会性や情緒のコントロールの障害です。生まれたばかりの赤ちゃんは、たとえその子が大きくなって自閉症スペクトラム障害を発症するとしても、生まれたばかりでは診断できません。新生児期にはもともと社会性や情動コントロールの能力が備わっていませんから区別できませんし、ましてや診断はできないのです。脳の発達と環境との相互作用の中で社会性や情動コントロールを発達させていきます。ところが、自閉症スペクトラム障害を発症する子どもは、それらが十分に育ってこないのです。その差が明らかになる幼児期に、両者の差が顕著になり診断がつくようになるのです。

この2歳児の段階で自閉症スペクトラム障害の症状のあった子どもは社会性や情動コントロールの発達はあるものの、その発達の速度が遅かった、と考えることがでるのです。あとになって発達が追いつき、自閉症の症状が消えたことはこのように説明できるのです。

私は、自閉症スペクトラム障害(発達障害の一つ)は治らない、という常識が必ずしも正しくないと考えます。』(子どもの発達障害誤診の危機より)

私が30年以上、自閉症と診断された子ども達の教育を行って感じていることは、現代の子ども達の生活環境は自閉傾向になりやすいのではないかということです。

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