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歯は健康のバロメーター Archive

歯は健康のバロメーター vol.49

〜落合先生のお口のお話し〜

1歳児はじめての歯科健診について

卒乳の時期は? 母乳を飲むと虫歯になる?

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

1歳歯科健診の際によく寄せられるご質問として、今回は卒乳の時期そして母乳とむし歯についてお話しましょう。

ただ手足を動かしたり歩き回ったりではなく、なんらかの目的を持った行動をとるようになると、多くのエネルギーが必要になり、やがて母乳等の液体では体力が持たなくなってきます。その一方で、こどもが寝るとき、夜泣きしているとき、母乳を飲ませると落ち着いて寝付くことがよくあります、つまり栄養の面だけでなく、母乳には、飲むことにより精神安定にも効果があります。したがって、一つの目安を挙げるとすれば1歳6か月前後を指標にするのが一般的ですが、日中の行動、食事の様子、夜間の就寝時の状況をみて、卒乳のタイミングを考えるのが自然ですので、時期にこだわる必要はありません。

ただし、前歯が生えた状態になっても母乳を飲んでいるこどもには、むし歯が多い傾向があります。

その理由は、歯に付着した汚れであるプラークと母乳に含まれる乳糖との関係に原因があります。口の中には砂糖を取り込んで酸を作り出すミュータンス連鎖球菌と呼ばれるむし歯の原因菌が住んでいて、歯はその酸にさらされると穴が開き、これがむし歯になります。

授乳の際には、乳房あるいは哺乳瓶によって上口唇が押さえられた状態で、舌と上顎で乳首をはさんで母乳を飲みます。したがって、上の前歯に母乳が付着しやすく、また夜は唾液の分泌が少ないので、長時間、上の前歯は母乳にさらされることになります。

ミュータンス菌は、砂糖と同じ糖類であっても乳糖ではむし歯ができるほどの酸を作り出すことはできないのですが、歯に付着したプラークに乳糖が加わることによって、その中の細菌の働きを活発にすることがわかっています。

したがって母乳そのものが虫歯の原因ではなく、歯に付着した汚れに母乳中の乳糖が加わることによって、虫歯が進行したり重症化するきっかけになるのです。

つまり、歯をきれいに磨いてから母乳を飲ませることで、むし歯の発生をかなり抑えることができるといえるでしょう。就寝前の適切な口腔ケアがむし歯予防の重要なポイントになります。

歯は健康のバロメーター vol.48

〜落合先生のお口のお話し〜

1歳児はじめての歯科健診について

歯磨剤は必要?

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

1歳歯科健診の際によく寄せられるご質問として、今回は歯磨剤を使った方がいいかどうか、についてお話ししたいと思います。

実際、歯磨剤を使わなくても歯の汚れは落とすことができますし、きれいに磨くこともできます。ですから歯磨剤というものは歯磨きをするための必須アイテムではありません。つまり歯磨剤の味が嫌いで、そのために歯磨きが嫌い、というこどもに使う必要はありません。

しかし虫歯予防、という観点から考えると、歯磨剤を上手に利用すると虫歯の予防効果はかなり高くなります。それはフッ素の効果です。フッ素を含有した歯磨剤で歯を磨くことによって、歯の質を強化し、汚れが付着しにくくなり、虫歯になりにくい歯にすることができるからです。ただし、歯磨剤の成分や歯磨きをした後の習慣によっても虫歯予防の効果はかなり異なります。歯磨剤を用いた虫歯予防に重要な点は2つあります。

まず一つ目はどんな歯磨剤を用いたらいいか、です。1歳を過ぎたこどもであれば、フッ素濃度が950ppm(950ppm前後であれば大丈夫)と明記されているものを使いましょう。歯磨き剤には様々なフッ素濃度のものがあり、それぞれに良い点もありますが、一般的に950ppm程度の濃度であれば虫歯予防にかなり効果的です。

そして二つ目は、歯磨き後にうがいをしない方がいい、ということです。歯磨きをした後は、十分にうがいをしてしまいがちですが、うがいをすると歯磨剤に含まれているフッ素が口の中からほとんどなくなってしまいます。ですから歯磨きをした後はできればうがいをしない、あるいはほんの少量の水でうがいをする(ペットボトルのキャップ1杯分程度の水)、そうするとフッ素の効果を有効に引き出すことができ、歯の質が強くなって、虫歯予防効果が高くなるのです。よかったら試してみてください。

歯は健康のバロメーター vol.47

〜落合先生のお口のお話し〜

1歳児はじめての歯科健診について

歯磨きを始めるタイミングは?3

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

前回、前々回と歯が萌出する前は指で、下の前歯が萌出したらガーゼ・脱脂綿で、段階を踏んで口の中の手入れをすることをお話してきましたが、1歳前後、上の前歯が萌出したら普通の形の歯ブラシで磨く時期となります。上の前歯は下の前歯と違って、大変虫歯になりやすい!それまで指、ガーゼあるいは脱脂綿での手入れをお勧めしてきましたが、実際に歯についた虫歯の原因となる汚れ(歯垢)は歯ブラシでないと除去することはできません。ところが上の前歯の周囲は大変敏感な部分で、多くの子どもたちが歯ブラシの感触を好まない、これが歯磨き嫌いになる大きな原因です。

ただ、今まで指のマッサージやガーゼ・脱脂綿での手入れをしてきていれば、ある程度の刺激には慣れていますので、歯ブラシの当て方に気を付ければ、スムーズに歯ブラシを受け入れてくれます。

まず最初は、1本磨き用の歯ブラシを使って、毛先が歯と歯肉の境目に当たるように磨くことから始めましょう。1本磨き用の歯ブラシの毛先が歯と歯肉の境目に当たる、という感触を大体把握できたら、いよいよ普通の形の歯ブラシを使います。歯ブラシは仕上げ磨き用で、ブラシの毛の高さが短いものの方が毛にコシがあり磨きやすいです。その歯ブラシの毛先の角の部分(ヘリの部分)を1本磨き用の歯ブラシの毛先だと思って、歯と歯肉の境目に当てて2本ずつ磨くつもりで横に動かします。その際、歯ブラシは歯の真上からではなく、少し斜め上から当てると、毛先が歯と歯肉の境目に当たっていることが目に見えて確認できますから、歯ブラシは歯に対して斜め上から当ててみて下さい。文章でお伝えすると複雑なようですが、実際にやってみると難しいことではありません。歯と歯肉の境目に歯ブラシの毛先を当てる、というつもりで磨いてみて下さい。

歯は健康のバロメーター vol.46

〜落合先生のお口のお話し〜

1歳児はじめての歯科健診について

歯磨きを始めるタイミングは?2

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

赤ちゃんが生まれたら、できるだけ早い時期から指で歯肉をマッサージしてあげることが、歯磨きをスムースに受け入れてもらう第1歩であることを前回おシは痛いもの、というイメージにならないようにすることです。

 このようにして、指から話ししました。それでは歯肉のマッサージに慣れてきたら次は何をすればいいか、これが今回の話題です。

大体生後6~8か月前後になると、下の前歯が萌出してきます。その時点で指による歯肉のマッサージがスムースに受け入れてもらえるようになっていたら、次の段階に進みます。今度は、ガーゼや脱脂綿で萌出してきた下の前歯を拭いてあげましょう。下の前歯はとても小さく、まだ完全に萌出する前に子ども用とはいえふつうの形の歯ブラシで歯を磨こうとすると、歯を磨くというよりも歯肉にブラシを当ててこすっているような状態になりがちなので、痛い思いをさせてしまうことになるかもしれません。ですから歯ブラシほどの刺激はないが、指よりも少し刺激が強いものとして、ガーゼや脱脂綿を使います。下の前歯は生涯を通して虫歯になる確率の低い歯ですので、虫歯にならないようきれいにする、ということよりも、歯を拭いてあげるという刺激に慣れてもらうことを優先して考えましょう。ただ、歯と歯の間や歯と歯肉の境目に汚れがたまりやすいような気がしてどうしても歯ブラシで磨きたい、という場合には、1本ずつ磨くようにできている先の小さな歯ブラシがありますので、それを使って手入れをしてあげてもいいです。大事なことは、歯ブラガーゼ・脱脂綿というように、少しずつ刺激を上げていって、道具を使って口の中を手入れする、ということを覚えてもらうことが第2の段階です。

次回はその次の段階、普通の形の歯ブラシで歯を磨くタイミングとその方法について、お話ししたいと思います。

歯は健康のバロメーター vol.45

〜落合先生のお口のお話し〜

1歳児はじめての歯科健診について

歯磨きを始めるタイミングは?

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

久留米市では従来1歳の誕生日を迎えたこどもたちに、1歳児はじめての歯の健康教室という口の健康相談、歯の健診、フッ素塗布を毎月市役所で集団的に行っていましたが、昨年3月から、新型コロナウィルス感染拡大予防のために一時休止、そして9月からは近隣の歯科医院にて個別で健診を行う方法に変更となりました。個別での健診に移行して約3か月経過しましたので、多く寄せられる質問についてお答えしたいと思います。

いつから歯磨きをしたらいいのか、というご質問を多く頂く機会があります。少しずつ萌出してくる歯をみて、いつから磨けばいいのか、確かに判断に迷いますね。

歯磨きは歯が萌出する前から少しずつその準備をしていくのがいいと思います。これは1歳の健診を受ける前に知っておいて頂きたいことなので、今回はこれについてお話ししましょう。

一番最初にした方がいいことは、赤ちゃんが生まれたらできるだけ早い時期から口の中を触られることに慣れてもらうことが大事です。具体的にはお父さんお母さんの指で歯肉のマッサージをしてあげて下さい。生まれて間もない赤ちゃんには吸啜(きゅうせつ)反射というものがあり、口の周囲のものを吸い込もうとする反射がありますので、指のマッサージは嫌がることなく受け入れてくれるからです。これによって口の中を触られることに慣れてもらいましょう。マッサージには3つのポイントがあります。まず指は頬と歯肉の間に入れて、必ず前から後ろへ一方向に歯肉の上を5〜10回程滑らせること、前後にゴシゴシしないことです。次に口の中を上下左右4カ所に分けて、右上→左上→左下→右下、というようにいつも同じ順番でマッサージしてあげること、一定方向のやさしい刺激をいつも同じ順番で受けるということは頭や背中を撫でられるのと同じように気持ちのいいものです。そして機嫌のいいときにしてあげること、この3つです。

これによって赤ちゃんは口の中を触られることに、つまり歯磨きをする、という行為に慣れていきますし、お父さんお母さんも口の中を触る力加減がだんだんわかってくるのです。

次回はその次の段階のお話をしましょう。

歯は健康のバロメーター vol.44

〜落合先生のお口のお話し〜

鼻づまりと口臭そして歯の着色の関係

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

12月になってかなり寒い日が続くようになりました。暑い夏から急に寒くなり、風邪をひいて鼻がつまっているこどもが多くなる季節です。

鼻がつまっていると、特に就寝時にはどうしても口を開けて口呼吸になります。そうしないと息が苦しいからです。こうなると口の中には空気が出たり入ったりするわけですが、その状態で一晩を過ごすとどうなるかというと、口の中はカラカラに乾燥してしまいます。通常、口の中は唾液が充満していますので、いつも湿潤しています。それによって口の中の汚れやもともと住んでいる細菌などは、ある程度自然に洗い流されていくような仕組みになっていますが、乾燥してくるとサラサラの唾液も粘調になり、洗い流す機能は落ちてしまいます。その結果、どうなるかというと口の中に汚れがとどまって歯に茶渋のような着色が付着したり、舌の表面が汚れてきたり、細菌が増殖して口臭がひどくなったりすることになります。よくこどもが朝起きた時ひどい口臭がする、磨いているのに歯の着色が目立つ、というご相談を受けることがありますが、こどもの口臭や着色はたいていこの口の中の乾燥が原因です。したがってどうすればいいかというと、もちろん一番いいのは鼻づまりを治すことですが、なかなか治らないこともあります。その場合には、就寝前によく歯を磨くこと、そして保湿剤の入った歯磨き剤がありますので、これを使って磨くこと、さらにそれを舌の上にも塗布してあげること、この工夫によって乾燥しにくい口の中になり、口臭も着色も改善することが多いようです。朝起きたときの様子が気になる場合には、この保湿剤入りの歯磨き剤を使ってみることをお勧めします。

ただ、保湿剤入りの歯磨き剤にはフッ素が含まれていないことがありますので、それを使って磨いてもむし歯の予防効果が低い可能性があります。その場合には、フッ素入りの歯磨き剤で磨いた後、保湿剤入りの歯磨き剤を歯と舌の上に塗布してあげるといいでしょう。少し手間はかかりますが、朝起きた時がさわやかになると思います。試してみて下さい。

歯は健康のバロメーター vol.43

〜落合先生のお口のお話し〜
3歳児歯科健診について
おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡  前月は1歳6ヵ月歯科健診のお話をしました。その次に法律で定められている健診は3歳児歯科健診になります。
3歳では乳歯20本がすべて萌出していて、乳歯の歯並び噛み合わせがある程度確立し、食生活も普通食になってきます。また1日の食事、おやつ、入浴そして歯磨きなど、生活の習慣がそれぞれの家庭でパターン化している時期でもあります。
この時期の口の中で気を付けることは、まずむし歯がないかどうか、この点からいろいろなことを考えてみるといいと思います。むし歯があればもちろん治療しなければなりませんが、むし歯はないけれども口の中がきれいになっていない、歯磨きがしにくい、あるいは磨いているつもりでもあまり汚れが除去できていない、など、今後むし歯ができてしまうような状態がないかどうかに注意して、気になることを健診の時に相談してみましょう。
例えば、磨いているのに口の中がきれいになっていない場合、食事の回数が多かったり、食事の間隔が短いなど、磨いても磨いても追いつかないことがあります。あるいは鼻づまりによって口で呼吸をしているため口の中が乾燥して汚れや着色が歯につきやすいこともあります。また歯並びや噛み合わせの問題から磨きにくい場所が何カ所もあってきれいにすることができない、ということもあるでしょう。さらに子どもが歯磨きを嫌がってなかなか上手に磨かせてくれない、ということもあります。それぞれにどう対応するか、その対策を歯科医師や歯科衛生士と一緒に考えていくよい機会が3歳児歯科健診です。
自由に動き回り、言葉で意思を伝えようとし、好きなものを好きな時間に選んで食べる力が身につき始めているのが3歳児、しかしその反面、指しゃぶりや授乳などから卒業できない子どもたちもたくさんいるのが3歳児です。3歳児歯科健診は法律で定められた最後の幼児期歯科健診です。ぜひ、この健診の機会を利用して子育てに役立てて下さい。

歯は健康のバロメーター vol.42

〜落合先生のお口のお話し〜

1歳6か月児歯科健診について

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

前月、久留米市では1歳になった子どもたちに1歳児歯科健診を行っていること、そして1歳児歯科健診はむし歯のチエック等、疾患に対する健診ということよりも、口の中の気になるところや口の中の健康を守っていく方法に関連した食生活や生活習慣の注意点など、気になることやわらかないことなど、様々な相談事を持ち込んで解決あるいは解決に向けての糸口を見つけ出していく場であることをお話ししました。

1歳児の歯科健診の後には1歳6か月の健診があります。これは久留米独自のものではなく、国内全体で行われている、法律で定められている健診になりますので、日本中の多くのこども達にとってはこれが初めての歯科健診になります。

1歳6か月健診を受ける時期になると、個人差はありますが上の前歯そして上下の奥歯が萌出を開始していて、それに伴い食生活も普通食、授乳もそろそろ卒業している子がみられるようになってきます。その状況が個人差によるものかどうかを考えたり、歯や口の中の異常やむし歯の有無など、疾患の有無を確認する健診の意味合いもだんだん重要になってきますが、久留米にお住いのこどもたちにとっては、1歳児の健診の時に指摘されていたことが解決しているかどうか、また、1歳の頃にはなかった問題点や不安なことがないかどうか、それを確認していく重要な機会になります。ですから、コロナの影響で1歳児健診を少し遅れて受けられた場合には、3か月くらいの間隔をあけて(2歳を過ぎてもうけられますので)1歳6か月歯科健診を受けてみましょう。

1歳の頃に比べると、こども達も自由に動き回ることができるようになります。むし歯や口唇、舌、歯肉等の疾患がないかどうかを確認することは重要ですが、それと同時にこの時点での食生活や1日の生活のリズムはどうか、指しゃぶり等の癖にどう向き合うか、1歳の頃と比較して、気になることが多くなってくるものです。ぜひ、この健診の機会を利用して、日頃の心配事が疑問に思うことなどを相談してみて下さい。

歯は健康のバロメーター vol.41

〜落合先生のお口のお話し〜

1歳児の歯科健診を受けましょう

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

久留米市では1歳になった子どもたちに、「1歳児歯科健診、初めての歯の健康教室」を開いています。毎月第4あるいは第2日曜日に市役所の会議室を健診スペースに仕立て、もう15年以上も前から行っています。しかしながら、本年の3月以降は、コロナウイルス問題で三密を避けることが難しい状況になってしまい、8月までは中止となってしまいました。

ウイルス問題はまだまだ先が見えない状態ですが、健診をいつまでも再開しないわけにはいかないので、久留米歯科医師会をはじめ、うきはおよび大川三潴歯科医師会の協力のもと、9月からは地域の有志の先生方の歯科医院で再開することになりました。

歯科健診とはいっても、1歳のこどもたちの口の中を見てもようやく上の前歯が生えてくるかどうか、なかにはまだ歯が生えていないこどももたくさんいます。本来の歯の健診は1歳6か月からになっていますので、この1歳児歯科健診はむし歯の健診というよりも、口の中の気になるところを確認する、これからどうやって口の中の健康を守っていくか、あるいは、食生活や生活習慣など、気になることやわかないことなど、様々な相談事を持ち込んでみましょう。

健診の場ですべてが解決するとは限りませんが、解決に向けての糸口を相談の中から見つけ出すことが重要です。そして初めてのフッ素塗布もありますので、ぜひ経験してもらいたいものです。フッ素がどんなものか、わからないことも思い切って聞いてみましょう。

歯は健康のバロメーター vol.41

〜落合先生のお口のお話し〜

5~6歳のこども、むし歯はないのに奥歯が痛い!

それは歯冠周囲炎

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

歯科健診でむし歯はない、といわれたばかりなのに、急に奥歯が痛い!といい始めることがあります。それは健診では見つからなかった歯と歯の間の虫歯であることもありますし、また口内炎であることもありますが、5~6歳のこどもには、6歳臼歯が生えてくるときに生じる歯肉の痛みのことがあります。これを歯冠周囲炎(しかんしゅういえん)といいます。 原因は奥歯が萌出してくる際、歯の一部が見えているけれども歯の大部分を歯肉が覆っている状態がしばらく続きます。その間、歯と歯肉の間にポケットのような隙間ができてそこに汚れがたまったり、咬み合う歯(下の歯であれば上の歯)が歯を覆っている歯肉に当たって腫れたり、あるいは奥歯が手前の歯を押しながら萌出してきたり、そんな刺激が痛みの原因となります。

奥歯が完全に萌出してしまえば自然に痛みや腫れはなおります。したがって、症状が軽い場合にはそのまま様子をみていても大丈夫ですが、奥歯は結構長い時間をかけて生えてくるので、痛みや腫れがだんだんひどくなってくることもあります。

このような場合には、まずは歯科医院を受診しましょう。そして奥歯と歯肉の間に入り込んでいる汚れを洗浄して除去し、抗生剤や鎮痛剤を内服することによって症状は軽減します。それでも改善がない場合には、歯を覆っている歯肉を切除する治療もありますが、こどもの歯冠周囲炎の場合には、ほとんどの場合は洗浄や内服で改善するので、おかしいな、と思ったら早めに受診してみて下さい。

そして、夜中などに激しい痛みが生じてしまった場合、その時には冷たい水で何度も何度も勢いよくブクブクうがいをしてみて下さい。それによって歯と歯肉のあいだに入り込んだ汚れが除去できたり、歯肉の腫れをある程度軽減することができ、しばらくの間は落ち着いて過ごせます。

永久歯が生えるときの痛み、成長痛のようなものですので、大きな病気ではありませんから心配はありません。

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