Home

くるめ-コラム

くるめ食素材探検 vol.84

いまさらですが、「にんじん」編 いっぽんでもにーんじん202010-ninjin1.jpg

文/靏久 格(産直や 蔵肆)

だいたい一年中いつでもどのスーパーにでも並んでいるにんじん。和洋中、また季節を問わず普段からよく使う食材の一つです。ですが秋から冬にかけての物が甘味や栄養成分から見ると最もおいしい時期、旬だなあと感じます。人類とのお付き合いも長く、最古の料理本といわれるアピシウスにも食材として出てまいります。

原産地はアフガニスタン、そこからヨーロッパに伝わった西洋系と、中国などアジアに伝わった東洋系の二種類に大別されます。スーパーで見かけるのはほぼ西洋系の五寸人参。東洋系で代表的なのはお正月に欠かせない金時人参です。ほかにも沖縄でよく作られている黄色い島ニンジンや、紫や黒なんてものも。

栄養成分はなんといってもβ-カロテンが豊富です。カロテンはニンジンの英名carotに由来するように、ニンジンのカロテン含量はずば抜けており、体内に入ると小腸で分解されビタミンAになります。動物性のビタミンAと違い、必要以上にビタミンAに変換されないのも強みですね。他にも食物繊維やビタミン類、鉄、カリウム、カルシウムなども豊富です。

実は人参の皮はとても薄く、出荷段階で洗うことによりほとんどむけてしまっています。ので、汚れを落としたらそのままどうぞ。えー、ニンジンって皮が固いじゃない?という方、申し上げにくいんですが、乾燥して表面が固くなってしまっているんです。根ものなので、ついつい買い置きしちゃいますが、しわがれる前にお使いください。店頭で選ばれるときは、さきっちょが丸みを帯びているものを選ぶと良いでしょう。新鮮な葉付きニンジンが手に入った時は、ぜひ葉かき揚げやおひたし、ごまあえなどでご利用ください。

久留米文学散歩 vol.94

田中吉政公 お慕い申しあげそうろうゆえ 第八回

立花誾千代姫の生涯 文/江﨑久美子

田中家と、入れ替わりで柳川城を領した立花家の誾千代姫は、永禄十二(一五六九)年、筑後国山本郡(現福岡県久留米市草野)の問本(といもと)城にて誕生しました。

道雪の五七歳にして初めて授かった子だったため、深く溺愛し、後継ぎとして育てました。誾千代姫は、七歳の時に、立花城の地督、城域、諸道具の一切を、大友宗麟、義統の安堵を受け譲られました。それで、女城主と呼ばれる所以です。

そして、同じ大友家の高橋紹運の息子、宗茂を婿とし、誾千代姫が、十八歳の頃立花姓を名乗りました。

宗茂は、十三万二千石で柳川城を拝領しますが、誾千代姫は、父の墓のある立花山から離れようとせず別居し、やっと柳川城に入ったのもつかの間、宗茂の心が自分にないことを知ると、柳川城の南方の宮永殿館に居を移したそうです。先日屋敷跡に行ってきましたが、お城からずいぶんと離れていて、宮永殿屋敷跡と書かれた石碑が建てられていました。

関ケ原の戦が起こり、西軍に与した宗茂は、徳川家康に下り、加藤清正の居る肥後高瀬に庇護されると、誾千代姫は同行せずに、肥後国玉名郡腹赤村の市蔵宅に母仁志姫と移り住みました。そして二年後の十月十七日に病でこの世を去ります。

久留米市善道寺にお墓があります。法名は、光照院殿泉誉良清大禅定尼です。

柳川郷土史会のお話では、仁志姫の亡くなられたのを機に、まだ柳川は田中領だったので、誾千代姫と仁志姫のお墓を、縁のある人たちによって肥後から善導寺へ移されたのではないか? とのことでした。

宗茂は、田中家改易で再封となり、柳川に誾千代姫の菩提寺寂性山良清寺を建立し、また、熊本のお墓のあった場所に、供養塔を作りました。その形がぼたもちのようなので、今も「ぼたもちさん」と呼ばれて親しまれていて、時折、誾千代姫を慕ってお参りされる方がおられるそうです。  |つづく|

新・落語スズメvol.26

『江戸前の男

~春風や柳の朝のさわやかさ~』

文/松田 一成

落語関連の本で、秋の夜長の一冊をとのリクエスト。アタシの一冊はこれ。吉川潮著『江戸前の男』〜春風亭柳朝一代記~1996年新潮社刊。昭和の時代、落語四天王と呼ばれ、古今亭志ん朝、立川談志、三遊亭円楽と同時代を駆けた噺家の話。最初に読んだ時の感想を痛烈に覚えています。柳朝さんの落語を一度でも生で見たかった。それ以上に、ああ、アタシも江戸ッ子に生まれたかったと。〜江戸ッ子は 皐月の鯉の吹流し 口先ばかりで腸(はらわた)はなし~。粋と野暮。柳朝さんと、柳朝さんを囲む人たちのやり取りが、それを基準に進んでいく。奥様のヨリさん、総領弟子の小朝師をはじめ柳朝さんの弟子たち、噺家の仲間、幼馴染。一章ごとに落語の題がつけられ、序章(くやみ)と最終章(茶の湯)は柳朝さんの夢の風景が差し込まれている。困った。女、酒、博打。芸人への憧れと、江戸ッ子の威勢のよさを堪能する本だと思って紹介をはじめたが、改めて読み返していると、グッとくるものがある。正直に書くと少し泣いた。生前、柳朝さんと親しかった作家の色川武夫氏が、病に伏した柳朝さんを見舞う代わりに「明日天気になれ」と題したエッセイを書いている。全編引用したいが、その色川さんの(柳朝さんはそう呼んでいた)思いやりを受け取る柳朝さんの行動が、思い切り人間臭く、(江戸ッ子の基準からは)とても野暮に思えるのに、それがすごく美しい。400ページ以上ある作品ですが、あっという間に読めます。落語や春風亭柳朝を知らなくても、充分楽しめるお話です。もちろん、読み終わった後は、柳朝さんや落語を愛おしくなるのは受け合い。

むすんで、ひらいて!! vol.76

「自己コントロール力」202009-wakaba.jpg

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

自己コントロール力とは、自分の欲求や希望を我慢する能力です。自分の好きなように行動する、出歩く、不注意、多動児などと言われている子どもも大変多くなっています。

ダニエル・コールマン著・土屋京子訳の『EQ-こころの知能指数』の本には、次のような実験研究が紹介されています。

4歳の子どもの前に、2つのマシュマロを置いて、「先生はこの部屋を少しの間出ていきます。先生が戻ってくるまで我慢して食べないでいたら、2つとも食べていいですよ。先生が外に出ている間に、マシュマロがどうしても食べたくて、我慢できなかったら、1つだけ食べてよいですよ。ただし、1つ食べてしまったら、先生が部屋に戻ってきた時には、残りの1つは取り上げますよ。」という実験でした。

4歳の子どもはこれだけの指示内容を理解できます。この研究は、マシュマロを1つだが食べてしまった子と我慢して食べないでいた子をグループ分けして、高校を卒業するまで調査したそうです。

結果、我慢して食べなかった子は、高い社会性や対人能力、難局に対処できる力を身につけ、少々のストレスで破綻したり、行き詰ったり、後退しなかった。

逆に、我慢できずに食べてしまった子たちには、そのような長所がそれほど認められず、強情な反面、優柔不断であったり小さな挫折にも動揺もみせたり、対人関係を避けようとする姿勢なども目立ったそうです。また、学力にも差が生じたともいいます。

4歳の子の性格が、その後の情緒、社会性さらに学力にも差をもたらしていました。「いけないことはいけない」としっかり教え、我慢する事、ルールに従うことを教育することは子どものためです。自己コントロール力を育て、幼児期から人格形成を大切にして下さい。

コーヒー産地を訪ねて…一枚の写真 vol.136

“2012年 コスタリカCOE表彰式”202009-adachi.jpg

写真と文 安達  和宏

コロナ禍ではありますが、今年も中米の新豆入荷が始まってます。今年は直接お会いする事が出来ませんが、この様な写真を見返すと当時の喜びをまた思い出します。ウエストバレーにあるエルバス農園のアントニオさんとは、この審査会以前からお付き合いが有ったので、結果発表の瞬間は私自身も本当に嬉しくて心臓がバクバクしたものでした。その後も買い続けている農園ですが、毎年品質が向上するコーヒー豆を見させて頂くと、日々の研鑽・努力が身に染みるほど感じられます。また、産地へ行ってトーニョさん(アントニオさんの通称)とご家族ともお会いしたいものです!

香茶店 “香り不思議発見” Vol.119

秋風を感じたら・・・

夏の疲れを香りで癒しませんか!

香star

「秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる」

(古今集、藤原敏行の歌)

百人一首中の有名な歌。立秋の頃、まだまだ暑さが衰えない中、ふと夜の帳が落ちる頃、すぅ〜と通り過ぎる風に秋を感じる平安貴族は残暑をどうのりきったのだろうか?扇風機もエアコンもない時代だからこそ、いろいろな工夫をしていたかと想像してみる。お香を焚き、その香りに眠りを誘われる。夏は沈香の香りより、白檀など爽やかな香りが心地よい眠りを誘いそう?昼間の暑さはキリッとほのかな柑橘系の乳香がおすすめかも。ということで夏の疲れはこれから。香りは大脳辺縁系に嗅覚を通して人の基本的な欲求でもある眠りにも作用するとのこと。好みの香りで疲れた体を癒しませんか!

202009-tennendou.jpg

天年堂オリジナルお香

「寧(nei)」シリーズ5種類セット…3,800円(税別)

空海…極上沈香の格調高く優雅な香り

天成…沈香をベースに伽羅を偲ばせる香り

松林…沈香立ちの深遠な落ち着いた佳香

乳香…ほのかな柑橘系の香り

白檀鴻臚館…最高級白檀をふんだんに

調合した馥郁たる香り

※寧シリーズはバラ(440〜1,100円)でもお買い求めできます。

お彼岸のお線香、ロウソクなど取り揃えています

久留米文学散歩 vol.93

田中吉政公 お慕い申しあげそうろうゆえ 第七回

関ケ原の戦いと石田三成との別れ 文/江﨑久美子

関ケ原の戦直前、石田三成の命を帯びて加賀野井弥八重茂は、徳川家康暗殺を目的に関東に向かいました。そして浜松城主堀尾帯刀(徳川方)とばったり会い、加賀野井は、堀尾に伴われ池鯉鮒(ちりゅう)宿杉屋に赴き、刈谷城主水野忠重(徳川方)らと酒宴中水野を斬り、堀尾にも斬りかけたが逆に殺されてしまいます。

加賀野井の遺骸は宝蔵寺に粗末に葬られていましたが、それを知った吉政は墓石を建て丁重に弔いました。

関ケ原の戦直前、世間がピリピリとした時代、家康の目を伺うこともせず、堂々と旧友のお墓を建てるとは、情に厚く気持ちの大きい人だったのでしょうね。

そして、とうとう関ケ原の戦いが起こります。絵巻などの田中吉政陣は、誇らしくも、ほぼ一番前の中央です。吉政に付いての逸話では、関ケ原の合戦中の「合渡の戦い」で一番乗りの功績をあげました。

しかし、石田三成の捕縛での出来事こそは、彼の人柄を知る上でここに上げておかねばならないと思います。

三成は合戦後、逃亡の途中で生米を食べて体調を崩していました。三成が「一戦に利なく。無念血流断腸の思いじゃ。されど、太閤殿下への報恩と思えば、今は後悔などない。後は存分にされよ」と言うと、吉政が「数十万の軍兵を統べらしは、ゆゆしき事智謀の極みなれど、戦の勝敗は天命と申すもので御座る。我等人身の及ばざることで御座った」と言い、肩に自分の陣羽織を掛けてやりました。

三成は、吉政の好意に心を打たれ、秀吉から賜った貞宗を贈ります。その後、井口村(伊香郡高月町井口)の陣所に五日間とどめ、ニラ粥でもてなして、体調を整えた後家康の許へともなったそうです。

三成は、吉政より十二歳も年下で故郷も近い。せめて武士としての花道を飾ってやりたかったのでしょう。ちなみに、その貞宗は、現在東京都博物館に所蔵されています。

新・落語スズメvol.25

『第十四回博多・天神落語まつり』

文/松田 一成

『「お客様が半分なのでギャラも半分でお願いします。」だって』と伝えて下さった師匠の声はうれしそうでした。「第十四回博多・天神落語まつり」。今年は福岡のほかに足を延ばして、熊本、鹿児島、沖縄と全22番組を開催。東西の人気者がほとんど出演といっても大袈裟でない落語会。関係者のご苦労のおかげで、今年も開催が決定しました。圓楽、文枝(三枝)、小朝、文珍、南光、鶴瓶、志の輔、昇太、権太楼に喬太郎、談春、鶴光、雀々、笑点メンバー勢ぞろい他、書ききれない出演者の数。金時の五代金馬襲名と四代金馬(ポリグリップのおじいちゃん)が金翁という隠居名のW襲名のほか、落語を聴くのはこの時だけだという貴兄も、この会をきっかけに落語にはまったというご婦人にも、楽しみなプログラムが目白押しの模様。個人的おすすめは、上方から笑福亭仁智。上方落語協会会長であります。久留米では今年の正月(あー、あの頃は普通に落語が聞けたのに)、久留米座『正月風喬』のゲストでご出演、弟弟子の会にもかかわらず、独特の間とリズムで最後はお客様全員さらっていったあの御仁。今から楽しみです。単純に席数は半分なので、早めの入手をこころがけましょう。先の師匠、続きがあって、『やあ、俺、初めて呼ばれるんで、いくら貰ってっか知らないんだよね。』。うれしそうに悪態をつく声の向こうには、博多の夜の算段があったようで(もちろん、皆様の前で落語をやれる喜びも)。

歯は健康のバロメーター vol.41

〜落合先生のお口のお話し〜

5~6歳のこども、むし歯はないのに奥歯が痛い!

それは歯冠周囲炎

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

歯科健診でむし歯はない、といわれたばかりなのに、急に奥歯が痛い!といい始めることがあります。それは健診では見つからなかった歯と歯の間の虫歯であることもありますし、また口内炎であることもありますが、5~6歳のこどもには、6歳臼歯が生えてくるときに生じる歯肉の痛みのことがあります。これを歯冠周囲炎(しかんしゅういえん)といいます。 原因は奥歯が萌出してくる際、歯の一部が見えているけれども歯の大部分を歯肉が覆っている状態がしばらく続きます。その間、歯と歯肉の間にポケットのような隙間ができてそこに汚れがたまったり、咬み合う歯(下の歯であれば上の歯)が歯を覆っている歯肉に当たって腫れたり、あるいは奥歯が手前の歯を押しながら萌出してきたり、そんな刺激が痛みの原因となります。

奥歯が完全に萌出してしまえば自然に痛みや腫れはなおります。したがって、症状が軽い場合にはそのまま様子をみていても大丈夫ですが、奥歯は結構長い時間をかけて生えてくるので、痛みや腫れがだんだんひどくなってくることもあります。

このような場合には、まずは歯科医院を受診しましょう。そして奥歯と歯肉の間に入り込んでいる汚れを洗浄して除去し、抗生剤や鎮痛剤を内服することによって症状は軽減します。それでも改善がない場合には、歯を覆っている歯肉を切除する治療もありますが、こどもの歯冠周囲炎の場合には、ほとんどの場合は洗浄や内服で改善するので、おかしいな、と思ったら早めに受診してみて下さい。

そして、夜中などに激しい痛みが生じてしまった場合、その時には冷たい水で何度も何度も勢いよくブクブクうがいをしてみて下さい。それによって歯と歯肉のあいだに入り込んだ汚れが除去できたり、歯肉の腫れをある程度軽減することができ、しばらくの間は落ち着いて過ごせます。

永久歯が生えるときの痛み、成長痛のようなものですので、大きな病気ではありませんから心配はありません。

くるめ食素材探検 vol.83

隠元和尚が持ち込んだのでインゲン豆。「さやいんげん」編202009-ingen.jpg

文/靏久 格(産直や 蔵肆)

いんげん豆、とひとくくりにしておりますが、大きく分けて二種類。主に乾燥させてさやをはずし豆を食べる品種と、若いうちに収穫、まるごといただく品種とございます。今回ご紹介するのは後者のさやごと調理する「さやいんげん」

いんげんといえば、固い筋があり茹でてもこの筋が口に残るので、筋をとる下ごしらえが必要、ちょっと調理にひと手間かかるのよねー、という存在でした。が、イマドキは品種改良が進み、ほとんど筋は取らなくても気にならない位になっています。名前のとおり、日本に持ち込まれたのは16世紀、黄檗宗の開祖隠元和尚が中国から持ち込んで各地に広がりました。

どじょういんげん、サーベルいんげん、ひらさやインゲン、ひらべったいモロッコいんげんや、長さ60㎝にもなるささげ、などさまざまな種類があります。紫や黄色い海外の品種も。一年に三度収穫できることから「さんどまめ」と呼ぶ地域もあるさやいんげん、カロチンやビタミンC、カルシウム、食物繊維が豊富です。

いまいち地味な存在ではありますが、つけあわせには欠かせない存在です。くるみやゴマなどナッツ系とあえたり、色味が欲しい時はパプリカやニンジンとあえてサラダに。ほかにも煮物、お浸し、天ぷらなどオールマイティに活躍してくれます。

一時に食べきれないときは、生のまま冷凍庫へ。使うときは凍ったまま沸騰したお湯に入れ、好みの固さにゆでてください。電子レンジですと青臭みが残ることもありますのでご注意を。

Home

Search
Feeds
Meta

Return to page top