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新・落語スズメvol.2

「六角堂広場にて、

幕末太陽傳〜居残り佐平治〜」

文/松田 一成

シャツ一枚ではちょっと寒かった晩「まちなか角打ちバル&まちなかシネマ」に初参戦。シティプラザ六角堂広場(屋根はある!)で月に2度ほど行われているそれぞれのイベントが、今回は敬老の日特集ということで同日開催、日本酒(先日の福岡県酒類鑑評会で最高位をとった蔵元のお酒でした。ラッキー)を飲みながら、落語の登場人物が舞台の映画鑑賞となりました。平日開演18時ということで、遣り繰り算段、ご同輩二人とテーブルを確保、至福の夜の始まり始まり。今回上映された映画は1957年日活『幕末太陽傳』、落語「居残り」の主人公佐平治を演じるフランキー堺の活躍を中心に物語は展開。勤王の獅子高杉晋作に石原裕次郎、久坂玄瑞に小林旭、気弱な若い衆喜助には岡田真澄(美男子です!)。遊郭で働くやりて婆ァは先日亡くなられた菅井きんさんの姿。それはあとからあとから名優、怪優のオンパレード。60年前、リアルタイムで見た方には素直に嫉妬を感じます。圧巻は、オッサンのハートを鷲摑み、フランキーを巡る美女二人、花魁役の左幸子と南田洋子(当時27歳と24歳!)。お客相手の手練手管が居残り稼業(無銭宿泊)のフランキーには通じない。そこには花魁としてのプライドもちらほら。三両惜しさに結婚をちらつかせる(起請文、結婚約束手形)南田の色目は、コメディエンヌとしての才能を見抜いた監督川島雄三のセンスか。実際に吉原にあった遊郭「相模屋」をスタジオに作り上げたそうで、前述美女二人の階段を使っての喧嘩シーンは、見てるこっちが痛くなるような迫力でありました。酔いも回ったところでエンドロール。次行く店を考えながら、思いました。幕末太陽傳とうたいながら主役が裕次郎でなかった壮大なシャレは、当時の太陽族への皮肉なのかなと。それとも製作費獲得のための監督の詭弁か。結局これを最後に川島は日活を退社したそう。映画の結末と相俟って(フランキー堺が泣かせます)、空になった一合枡に吹く秋風は、切ない余韻がお似合いでありました。

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