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久留米文学散歩 vol.64

夏目漱石と熊本そして久留米②

文/増原 達也

その坂を頂上から少し下がって右に折れると漱石の旧宅に当たります。可成りの広さの家で漱石が入居する以前は彼の友人の狩野亨吉が住んでいた様です。私がこの時、熊本に行ったのも、漱石がここに住むようになった原因や過程を知る為でもあったのです。この家は現在、漱石の博物館にもなっており、色々な資料等も陳列してあります。そこに着くと直ぐ署名して館内に入り左手に屏風の様な物に彼の転居先とその年月日、当時の出来事等も記入してある物があり、私も直ぐそれを写そうとして二〜三行書いた時だったと思いますが、その館の案内人の方が、「これを・・・」と云って差し出してくれたのが、その屏風の中に記入してある事が全て記載してある物だったのです。「どうもありがとう御座います」と云って受け取り、一応目を通して「処で先生、漱石の俳句の中で明治31年が少ないのは何故ですか」と尋ねてみました。正直、熊本に行ったのも半分はその為でもあったからです。そしてこんな施設で説明に従事しておられるのだから、専門家だろうという先入観が私自身にあった事は事実でした。処がその人の話は素っ気ないものでした。「その年は移転や何かで多忙だったからでしょう。」と答えられただけだったのです。そして次の見学者の処に行かれたのですが、私の落胆というか失望は大きな物でした。その時の私の身形も褒められた物ではなかったのですが。その後は見学する気にもなれず、外に出て、それから数拾年過ぎた現在でも忘れません。その後一〜ニ度熊本には参りましたが寄る事はありませんでした。扨そこで「夏目漱石句集」((株)永田書房)(昭和63年12月9日発行)に依りますと当時調べられた俳句、漢詩だけで俳句がニ四三一句で漢詩が二〇八首となっています。

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