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2013-07

香茶店“香り不思議発見” Vol.34

「陰陽師アベノミクスに頼るな!!」

天年堂  稲生宗司

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お盆の頃は、物の怪の話がよく現れます。現在の政治では「アベノミクス」が流行っていますが、陰陽師・安倍晴明が活躍していたのは、源氏物語の時代です。

源氏の正室葵の上に襲う、六条御息所という美しく高貴で教養もある女君の生霊。その生霊の退散の為に、連日連夜加持祈祷が始まり、女君は祈祷の護摩の煙の中に焚かれる芥子の香が着ている着物に染み付いていることが気になってたまらなくなりました。そうして錯乱状態になり、髪を洗い、着物も着替えたのに、芥子の香は全身からなくなりません。

この話を映画に喩えたのが山田五十鈴演じる黒澤明「蜘蛛巣城」。この脚本の元は「マクベス」。野心家マクベスの婦人は錯乱し「この手の血の匂いはどんな高価なアラビアの石鹸を使っても取れない」六条御息所の生霊の芥子もマクベス夫人の血の匂いも精神病理学では「幻臭」と言う。これを治せるのも、香りである・・・・・

久留米文学散歩 夏目漱石編(8)

文/増原 達也

近頃よく尋ねられるのが、

「貴方は何故、漱石なのですか」

「何時頃から漱石の本を読み始めたのか」

等々。元来私は不勉強な方で、出来る事なら勉強はしたくないのです。併し、それでは世間を渡ってゆくには、何かと不便だろうし、格好も良くないので、何か一ツ位、他人の前で話せるものを、と思って選んだのが、夏目漱石だったのです。これが「縁」と云うものですか。と云うことは昭和27年に「昭和文学全集」(角川文庫)伍拾巻くらいが出る事になり、その四巻目が夏目漱石だったのです。今でも諳んじています。一巻目が横山利一、二巻目が山本有三、三巻目が永井荷風で四巻目が漱石だったのです。それを購入して以後、一般の勉強にも追われる様になり、暫く彼の本を開く事は存りませんでした。それにもう一ツは、親に内緒の購入だっだので続く訳がありません。何時も月謝未納の部でした。敗戦直後から、この頃は、現在の学習塾以上に「英会話教室」が林立、多くの子供や大人が、その教室に通っていました。勿論私も英会話教室に通ったのですが、本代に塾費用では長く続きません。それならと「発音記号」が読める程度にはなっていましたので、今度は一生懸命独学で英語と漢詩をやったのを覚えています。両方共に物にはなりませんでしたが。そんな時だったと思います。日記を英語で書き始めたのは。こんな話は他人には面白くないので止めます。先日私の作品の前で中年男性が

「漱石の則天去私はどう云う意味か」

と問われました。その時の私の表情やスタイルは、「ヒゲ」を4~5日剃ってなく、服装は上下共に「ヨレヨレ」で近頃不眠もあって目は赤く濁っており、それこそ「猫」や「坊ちゃん」さえ読んだ事のない有様でした。この四文字熟語は漱石の作ではなく、相当昔から存在、だから一寸した漢和辞典には存ります。と云う積りが、彼は早々に答えを聴く前に外に出てゆかれました。

コーヒー産地を訪ねて…一枚の写真 vol.51

“フランス ニース SCAE”

写真と文  安達  和宏

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2013年6月26日~28日 フランス ニース

今月も、フランス ニースで行われたSCAE ヨーロッパ スペシャルティコーヒー協会展示会での一コマ。

ヨーロッパの大会ですがWCEワールドコーヒーイベントという団体も出展していて、そこでは地元フランスはもちろん、北欧、イギリス、アメリカなど世界的な有名店(ロースター)の豆を飲ませてくれます。ロースターや豆はもちろん抽出方法もリクエスト出来きるんですね。エアロプレス、フレンチプレスなどもあるんですが私のリクエストはこれ・・・ノルウエーのロースターが焙煎したケニヤをペーパードリップで頂きました。面白かったのはお湯を注ぐ装置。ステンレスの支柱から何やら足のようなお湯の抽出器(フレキシブルパイプ)が出ていて、これでお湯を注ぎます。その名もオクトパス^^3本しか有りませんがタコ足だったのです。細口ポットで注ぐのとは、かなり雰囲気違いますが〜 一家に一台オクトパス!如何ですか?!

コーヒー産地を訪ねて…一枚の写真 vol.50

“フランス ニース SCAE”

写真と文  安達  和宏

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2013年6月26日〜28日 フランス ニース

いつもは、中南米の訪問記ですが、今月は先日行って来た〜フランス/ニースのお話し。毎年ヨーロッパ各地で開催されるヨーロッパスペシャルティコーヒー協会の大会でニースに行って参りました。産地と違い少しだけバカンス気分ではありますが・・・ヨーロッパの最新事情や生産者も数多く来てますので彼らとも会ったりちゃんと仕事で来てるんです〜。

それから今回の目的の一つに、SCAJ=日本スペシャルティコーヒー協会で私が所属するローストマスターズ委員会が主管する焙煎人の競技会=JCRC(ジャパンコーヒーローストチャレンジ)を勝ち抜き、このニースで行われる世界大会に出場する日本代表の応援も大事な仕事です。昨年はじめて開催された競技会だけに、予選となる2012JCRC運営サイドの私たちもその準備と運営には大変苦労しました。その日本代表に是非とも優秀な成績を収めて頂きたい想いと、来年の世界大会代表を選ぶ2013JCRCをより充実した競技会にしたいと考え、世界大会の模様を視察に来ているのです。

香茶店 “香り不思議発見” Vol.33

「夏は、蓮に構えて、荷葉なり・・」

天年堂  稲生宗司

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夏の薫物を「荷葉(かよう)」という。「荷葉」は「蓮」のことである。「蓮」はヒンドゥー教では、「泥から生え、まっすぐに水を弾きながら、大きく広がる葉の姿が、俗世の欲にまみれず、清らかに生きることの象徴」とされている。仏教ではそれに加えその姿が「仏の智慧や慈悲の象徴」とされている。また、「極楽浄土に往生し、同じ連花の上に生まれ変わる」という意味が「一蓮托生」という語源になっているという。

生薬としては、鎮静作用・滋養強壮作用としても利用される。国花としているベトナムでは、雄しべで茶葉に香りをつけたものを蓮茶として飲用し甘い香りが楽しめる。または、葉に、酒を注いで「象鼻杯」という楽しみも残っている。※7月の誕生花・夏の季語・花言葉は「雄弁」さあ、夏は、「荷葉」を薫きながら、象鼻杯で優雅に暮らすか?

久留米文学散歩 夏目漱石編(7)

文/増原 達也

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春畦の処を出て漱石は田畑の中を西原まで歩いています。この田畑では菜の花とレンゲの花が多く彼の目にとまったと思われます。彼の俳句の中には「菜の花」は多いのですが、レンゲの句を詠んだ事は余りなかったのではないだろうか。

「・・川幅は余り広くない。底は浅い。流れはゆるやかである。舷に依って水の上を滑って、どこまで行くか、春が尽きて、人が騒いで、鉢合わせをしたがる所まで行かねばやまぬ・・」

「・・舟は面白いほど、やすらかに流れる。左右の岸には土筆でも生えておりそうな。土堤の上には柳が多く見える。まばらに、低い家がその間から屋根を出し、煤けた窓を出し。時によると白い家鴨を出す・・」

と筑後平野の中央を流れる川の様子が書かれています。これが「草枕」の「十三章」の一部だが、この小説は明治39年7月に10日余りで180枚を仕上げています。この事を彼は、

「新小説の編集者から、義理をからめて、強引に頼み込まれた・・」

と知人に手紙を出し、その中に「俳句的小説」とも書き添えています。 この十三章を彼が書く時には、彼の頭の中には西原での舟に乗り、瀬の下迄の船旅があったと思うのです。このときの土台は明治37年(日露戦争)だが、実際に舟に乗ったのは明治30年3月で、これを「草枕」として小説にしたのは明治39年7月となっています。もう1ツ加えると、この「草枕」は「陶淵明」の「桃花源記」が種本になっています。亦漱石は英国から帰国(明治36年1月)して「猫」と「坊ちゃん」そして「二百十日」以外は、西洋物を書いており、彼自身の中で西洋的な作品には辟易していたのでは、と思われます。この時の事を妻鏡子は「傍らで見ているとペンをとって原稿用紙に向かえば、直ちに小説が出来ると云った具合」と語っています。(「漱石の思い出」から)

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