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歯は健康のバロメーター Archive

歯は健康のバロメーター vol.42

〜落合先生のお口のお話し〜

1歳6か月児歯科健診について

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

前月、久留米市では1歳になった子どもたちに1歳児歯科健診を行っていること、そして1歳児歯科健診はむし歯のチエック等、疾患に対する健診ということよりも、口の中の気になるところや口の中の健康を守っていく方法に関連した食生活や生活習慣の注意点など、気になることやわらかないことなど、様々な相談事を持ち込んで解決あるいは解決に向けての糸口を見つけ出していく場であることをお話ししました。

1歳児の歯科健診の後には1歳6か月の健診があります。これは久留米独自のものではなく、国内全体で行われている、法律で定められている健診になりますので、日本中の多くのこども達にとってはこれが初めての歯科健診になります。

1歳6か月健診を受ける時期になると、個人差はありますが上の前歯そして上下の奥歯が萌出を開始していて、それに伴い食生活も普通食、授乳もそろそろ卒業している子がみられるようになってきます。その状況が個人差によるものかどうかを考えたり、歯や口の中の異常やむし歯の有無など、疾患の有無を確認する健診の意味合いもだんだん重要になってきますが、久留米にお住いのこどもたちにとっては、1歳児の健診の時に指摘されていたことが解決しているかどうか、また、1歳の頃にはなかった問題点や不安なことがないかどうか、それを確認していく重要な機会になります。ですから、コロナの影響で1歳児健診を少し遅れて受けられた場合には、3か月くらいの間隔をあけて(2歳を過ぎてもうけられますので)1歳6か月歯科健診を受けてみましょう。

1歳の頃に比べると、こども達も自由に動き回ることができるようになります。むし歯や口唇、舌、歯肉等の疾患がないかどうかを確認することは重要ですが、それと同時にこの時点での食生活や1日の生活のリズムはどうか、指しゃぶり等の癖にどう向き合うか、1歳の頃と比較して、気になることが多くなってくるものです。ぜひ、この健診の機会を利用して、日頃の心配事が疑問に思うことなどを相談してみて下さい。

歯は健康のバロメーター vol.41

〜落合先生のお口のお話し〜

1歳児の歯科健診を受けましょう

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

久留米市では1歳になった子どもたちに、「1歳児歯科健診、初めての歯の健康教室」を開いています。毎月第4あるいは第2日曜日に市役所の会議室を健診スペースに仕立て、もう15年以上も前から行っています。しかしながら、本年の3月以降は、コロナウイルス問題で三密を避けることが難しい状況になってしまい、8月までは中止となってしまいました。

ウイルス問題はまだまだ先が見えない状態ですが、健診をいつまでも再開しないわけにはいかないので、久留米歯科医師会をはじめ、うきはおよび大川三潴歯科医師会の協力のもと、9月からは地域の有志の先生方の歯科医院で再開することになりました。

歯科健診とはいっても、1歳のこどもたちの口の中を見てもようやく上の前歯が生えてくるかどうか、なかにはまだ歯が生えていないこどももたくさんいます。本来の歯の健診は1歳6か月からになっていますので、この1歳児歯科健診はむし歯の健診というよりも、口の中の気になるところを確認する、これからどうやって口の中の健康を守っていくか、あるいは、食生活や生活習慣など、気になることやわかないことなど、様々な相談事を持ち込んでみましょう。

健診の場ですべてが解決するとは限りませんが、解決に向けての糸口を相談の中から見つけ出すことが重要です。そして初めてのフッ素塗布もありますので、ぜひ経験してもらいたいものです。フッ素がどんなものか、わからないことも思い切って聞いてみましょう。

歯は健康のバロメーター vol.41

〜落合先生のお口のお話し〜

5~6歳のこども、むし歯はないのに奥歯が痛い!

それは歯冠周囲炎

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

歯科健診でむし歯はない、といわれたばかりなのに、急に奥歯が痛い!といい始めることがあります。それは健診では見つからなかった歯と歯の間の虫歯であることもありますし、また口内炎であることもありますが、5~6歳のこどもには、6歳臼歯が生えてくるときに生じる歯肉の痛みのことがあります。これを歯冠周囲炎(しかんしゅういえん)といいます。 原因は奥歯が萌出してくる際、歯の一部が見えているけれども歯の大部分を歯肉が覆っている状態がしばらく続きます。その間、歯と歯肉の間にポケットのような隙間ができてそこに汚れがたまったり、咬み合う歯(下の歯であれば上の歯)が歯を覆っている歯肉に当たって腫れたり、あるいは奥歯が手前の歯を押しながら萌出してきたり、そんな刺激が痛みの原因となります。

奥歯が完全に萌出してしまえば自然に痛みや腫れはなおります。したがって、症状が軽い場合にはそのまま様子をみていても大丈夫ですが、奥歯は結構長い時間をかけて生えてくるので、痛みや腫れがだんだんひどくなってくることもあります。

このような場合には、まずは歯科医院を受診しましょう。そして奥歯と歯肉の間に入り込んでいる汚れを洗浄して除去し、抗生剤や鎮痛剤を内服することによって症状は軽減します。それでも改善がない場合には、歯を覆っている歯肉を切除する治療もありますが、こどもの歯冠周囲炎の場合には、ほとんどの場合は洗浄や内服で改善するので、おかしいな、と思ったら早めに受診してみて下さい。

そして、夜中などに激しい痛みが生じてしまった場合、その時には冷たい水で何度も何度も勢いよくブクブクうがいをしてみて下さい。それによって歯と歯肉のあいだに入り込んだ汚れが除去できたり、歯肉の腫れをある程度軽減することができ、しばらくの間は落ち着いて過ごせます。

永久歯が生えるときの痛み、成長痛のようなものですので、大きな病気ではありませんから心配はありません。

歯は健康のバロメーター vol.39

〜落合先生のお口のお話し〜
左右で前歯の大きさが違う?それは癒合歯
おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

赤ちゃんが生まれて6カ月くらいすると下の前歯から萌出が始まり、1歳の頃には上の前歯も萌出してきます。こどもの成長が目に見えてわかる楽しみな時期でもありますが、あれ?左右で歯の大きさが違うな、と気が付くことがあります。
それは癒合歯。顎の中で歯が成長しているとき、隣り合う2本の歯が何らかの理由でたまたまくっついてしまい、そのまんま成長して生えてきたものです。
癒合歯は下の2番目の前歯と3番目の犬歯、次に下の1番目と2番目の前歯、そして上の1番目と2番目の前歯、の順に生じることが多く、永久歯ではめったにみられることはありません。
癒合歯の原因は明らかではありません。病的なものととらえるよりも、どちらかというと人間のあごが進化の過程で短くなり、顎の中の歯同士の間隔が狭くなったために、形成されるときにくっついてしまったと考える説が有力とされています。
癒合歯は、その癒合した部分の溝が深い場合には、そこから虫歯になることが多いので、虫歯予防の処置をしておく必要がありますが、それ以外に大きな問題は起こらないので、乳歯の歯並びの時期には特に気にする必要はありません。
しかしながら、永久歯に生え変わるときには注意が必要です。それは、癒合歯の後に萌出する永久歯が2本ある場合と1本しかない場合があるからです。2本で1本になった癒合歯の幅は大体1.5本分程度なので、永久歯が2本ある場合は、歯の数はそろうものの萌出するスペースが足りなくなって並びが凸凹になったり、1本しかない場合はスムースに萌出してくるものの逆に場所が余って歯と歯の間に隙間が生じたりすることがあるからです。ただし矯正治療が望ましいこともあれば、そのままで問題ないこともあります。これは永久歯の大きさがどのくらいかによって状況が変わってくるからです。
したがって7歳から10歳くらい、前歯と犬歯が永久歯に交換する頃まで様子をみて、歯並び咬み合わせに問題があるかどうかを確認してから先のことを考えるようにしましょう。

歯は健康のバロメーター vol.38

〜落合先生のお口のお話し〜

緊急事態宣言解除・・・いかがお過ごしでしょうか?おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

緊急事態宣言解除となり、保育園、幼稚園や学校も様々な制限の中、再開されました。うれしくて興奮状態の子、5月病みたいに調子の出ない子、様々ですが、とりあえずみんなに共通なのは、生活リズムが元の状態に戻るまでちょっと時間がかかる、ということでしょう。そんな今、気を付けておきたいこと、それはケガです。

こどもは僅かな休み時間でも校庭に出て走り回ったり、ボール遊びをしたり、体がよく動きます。通常であれば激しく動き回っても大丈夫でしょうが、Stay Homeによって1か月以上、人と会ったり外出したりできなかった状態から一気に元の環境に戻ったという状況ですから、こども達は今、気持ちと身体のバランスが取れてないとでもいうのでしょうか?こういう時期には転んだりぶつかったり、ケガが多くなるようです。特に歯のケガは大人と比較してこどもには大変多くみられます。

歯のケガには、1.ぶつけたが表面上問題がない、2.ぶつけたショックでぐらぐらあるいは歯が歯肉に潜り込んだ、3.歯が折れた、4.歯が歯肉からはみ出した、そして5.完全に歯が抜けてしまった等、様々な程度があります。

2~5の場合は、おそらくすぐに歯科医院を受診する等の対応を考えると思いますが、1の場合は放置してしまうことがよくあります。確かに何も起らないこともありますが、数日後に歯の色が赤黒くなったり、色が濃くなったり、歯の変色が生じてくることがあります。

これは歯をぶつけたショックで歯の中身である歯髄(歯の神経と呼ばれる部分)に内出血や血液が通わなくなることが原因です。元に戻ることもありますが、元に戻らず歯根の吸収や膿がたまってくる等の問題を生じることがあります。

したがって、歯をぶつけたら、何でもなくても念のため歯科受診をすることをお勧めします。なんでもなければそれでいいのですから、しばらく様子を診てもらうようにしましょう。

歯は健康のバロメーター vol.37〜落合先生のお口のお話し〜

Stay Home・・・いかがお過ごしでしょうか?

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

新型コロナウイルスの脅威が、ついに久留米にもやってきてしまいました。保育園、幼稚園や学校は多くの地域で休校や時間短縮あるいは様々な制限の中で運営管理され、部活や習い事は自粛の方向になり、今まで経験したことがないほどに多くのこども達は長い時間を自宅で過ごしています。1日の大半を自宅で過ごしているこどもの口の中について、今回はこれがテーマです。

通常こどもは、1日の大半を集団生活で過ごし、食生活も規則正しく守られ、給食等によって食べる時間も栄養のバランスも管理されています。

ところが現在は自宅で過ごし外出もできず、学校から配布される課題をこなしている、こんな時は食べることが楽しみになっていくものです。

ご家庭で手作りのお菓子などを作ることができたら、みんなで家庭の味を楽しめるとても貴重な時間になることでしょう。しかし買い物もままならない状況では難しいかもしれません。でも1日中家にいると甘いお菓子が食べたくなるものです。

むし歯のなりやすさという点から考えると、1日分として同じ種類、同じ量の甘いお菓子を与えられた場合、何度も少しずつお菓子を分けて食べるより、少ない回数で決まった時間にまとめてたくさん食べる方がむし歯にはなりにくいことがわかっています。ですから甘いお菓子を食べるときは種類や量も大事ですが、1回の量が増えてでも時間を決めて、食べる回数をできるだけ少なくするようにしたいものです。1日分の決まった量のお菓子を少しずつゆっくり食べる方が、お行儀いいように思われるかもしれません。楽しいかもしれません。しかしむし歯になりにくい、という観点から考えた場合にはそうではないのだ、ということをどこかで心にとめておいて下さい。

でも、こどもとこれほどまでに同じ時間を過ごすのは、この子が赤ちゃんだった時以来じゃないでしょうか?今まで気が付かなかったこどもの一面や成長が見えたり、ゆっくりとお話をしたり、色々な思い出ができる結構貴重な時間かもしれませんね。

歯は健康のバロメーター vol.36〜落合先生のお口のお話し〜

歯が生える時期3 生まれた赤ちゃんに歯が生えているとき

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

生まれたとき、あるいは生まれてすぐに萌出してくる歯、先天性歯についてお話をして今回で3回目になります。生まれた時すでに生えている出産歯と生まれて1か月以内に萌出してくる新生歯、前回、出産歯の場合は抜歯した方がいい、という判断になることが多くなる、というお話をしました。それでは生まれてから1か月以内に萌出してくる新生歯はどうでしょうか? 今回はこの点についてお話ししましょう。

新生歯でもぐらぐらが大きければ出産歯のように抜歯になりますが、出産歯と比較して新生歯は、歯の土台となる歯根ができる機能をもった状態で生えてくる傾向があります。つまり、歯は早く生えてきたが、土台もそれなりにできあがっていく、という状況です。ですから、赤ちゃんが舌で押したりしても、あまりぐらぐらにならず、何とか持ちこたえることができることが多くなります。その状況がしばらく続いて、周囲の歯が萌出してくる頃には、歯根もしっかりとしてきて、歯としての役割を果たすことができるようになっていきます。

しかしながら、十分でき上がる前に生えてきているので、上の前歯としっかりとかみ合うようになると、硬い上の前歯によってどんどんすり減って小さくなっていくことが多く、通常よりもかなり早く抜けてしまうこともありますが、小さいながらもなんとか持ちこたえて歯としての役割を果たしてくれることもあります。

ですから、新生歯の場合は抜歯ではなく、何とか保存していくようにすることが多くなりますが、授乳の際にお母さんの乳首に歯が当たり、乳首に傷がついてかなりの痛みを伴う炎症を起こしてしまう原因となることがあります。したがって、歯の萌出の程度をみながら、またお母さんの乳首の状態を確認しながら、必要に応じて歯の切端の部分を削って丸めたり、プラスティックで歯のキャップを作ってかぶせたり、何とか授乳に支障をきたさないようにすることが多くなり、その状況を見て抜歯するかどうかを決めることになります。

このように出産歯と新生歯、同じ先天性歯でも生えてくる時期の違いによって、その後の状況が大きく変わってきます。もし生まれたばかりの赤ちゃんの口の中に歯が生えてきたら、できるだけ早めに歯科受診をすることをお勧めします。

歯は健康のバロメーター vol.35

〜落合先生のお口のお話し〜

歯が生える時期2

生まれた赤ちゃんに歯が生えているとき

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

生まれたとき、あるいは生まれてすぐに萌出してくる歯を先天性歯ということを前回お話ししました。それでは生まれた時すでに生えている出産歯と生まれて1か月以内に萌出してくる新生歯では、どのような違いがあるのか、今回はこの点についてお話ししましょう。

出産歯は多くの場合、歯の土台となる歯根がほとんどできていないにもかかわらず頭の部分である歯冠が萌出している状態になっています。つまり、土台のない白い塊が歯肉の上に乗っている、あるいは付着している、という状況です。ですから、赤ちゃんが授乳しようとして舌を前に出すたびに、歯が前の方に押されて、さらにぐらぐらになっていきます。そのまま抜けて口の外に押し出されてしまったりすることもありますが、多くの場合、抜けそうで抜けない、という状況になり、飲み込んでしまうのではないかと心配になることがあります。このような状態になったら、この歯が将来的にしっかりと歯根ができて十分な機能を果たすことは期待できません。また、あまりぐらぐらにならない場合には、今度は授乳の際にお母さんの乳首に歯が当たり、乳首に傷がついてかなりの痛み(赤ちゃんでもかまれたら痛いです!)を伴う炎症を起こしてしまう原因となることがあります。さらに出産歯は、十分に出来上がっていないうちに萌出してきていますから、歯冠の部分の形成不全も強く、どんどんすり減って形も整わないことになることが多いようです。

したがって、出産歯の場合は、抜歯した方がいい、という判断になることが多くなります。それでは生まれてから1か月以内に萌出してくる新生歯はどうでしょうか?次回は新生歯についてお話ししましょう。

歯は健康のバロメーター vol.34

〜落合先生のお口のお話し〜

歯が生える時期1

生まれた赤ちゃんに歯が生えているとき

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

歯の萌出時期は大体決まっていて、生まれて半年くらいで下の前歯から生えてくることが多い、しかしながら歯の萌出時期は個人差が大きい、というお話を以前したことがあったと思います。歯の萌出については、どちらかというと歯がなかなか生えてこない、という萌出時期が遅い、ということを心配される方が多いのですが、今回は歯の萌出が早い場合についてのお話しです。

通常、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、歯は1本もはえていないことがほとんどです。しかしながら、日本人では大体1000人に1人くらい(欧米人では3000人に1人くらい)の確率で生まれた時から歯が萌出している、あるいは生まれて4週間以内に歯が萌出してくる、ということがあります。これを先天性歯といいます。

先天性歯の原因は、骨あるいは内分泌に異常を起こす全身的な病気に伴って出現することもありますが、多くの場合はたまたま歯の発生が早かったり、歯の形成の進行が速かったり、歯が歯肉の表面に近いところで形成されていたため大きくなるにしたがって歯肉から出てしまったなど、局所的な原因であることが多いようです。

先天性歯には2種類あります。ひとつは生まれたときにはすでに歯が見えている、つまり歯が萌出している場合(出産歯といいます)、もう一つは歯肉が膨らんでいかにも歯が萌出しそうだけれどもまだ萌出していなくて、生まれて4週間以内に歯が萌出してくる場合です(新生歯といいます)。

同じ先天性歯でも、出産歯と新生歯では、かなりその後の様子が変わってきます。次回はそれぞれの先天性歯が赤ちゃんそしてお母さんお父さんの生活にどう影響を及ぼしていくのか、詳しくお話していきましょう。

歯は健康のバロメーター vol.33

〜落合先生のお口のお話し〜

むし歯について考えてみましょう3

おちあい小児歯科医院 院長 落合 聡

乳歯の虫歯を放置した場合はどうなるかについてお話ししましょう。一番早く萌出する乳歯は、下の前歯で生後8か月頃、一番最後に上の奥歯が、2歳を過ぎた頃に萌出します。

そして永久歯との生え変わりは6歳頃から始まり、最後は11歳頃です。

つまり、乳歯の寿命は5年からせいぜい9年です。一生の中で乳歯がある時期はとても短く、しかも乳歯の脱落後は永久歯が萌出してくるのです。

そこで、以前は「乳歯はどうせ生え変わるもの、永久歯に交換するのだから、小さいこどもは歯の治療を嫌がるし、乳歯の治療はしなくていい、という考えが浸透していました。

乳歯の虫歯がたくさんあっても、こどもは結構無頓着で痛みも訴えず、食事も見かけ上普通に食べていることがほとんどですから、なおさらそういう考え方が定着してしまったのでしょう。

しかしながら、乳歯の虫歯を放置しておくと、その時点では何事も起こらなくても、実は大変なことが起こってしまうことがわかっています。

確かにむし歯の程度がC1程度なら、生え変わりまでこの状態を保つことができれば大きな問題は起こりません。C2でも程度問題と考えていいでしょう。

問題はC3・C4です。歯髄に炎症が生じて壊死してしまうと、膿が歯根の先の方にたまってきます。その位置は次に萌出してくる永久歯が待っている場所です。永久歯は膿の中に入りたくありませんから位置を移動しようとします。移動した永久歯は変な場所から萌出してきたり、悪い場所に移動してしまった場合には萌出できない(埋伏といいます)状態になってしまいます。また、うまく移動できなかった永久歯は膿の中に取り込まれ、萌出する前に感染を起こして死んでしまったり、あるいは質も形も脆弱な歯(ターナー歯といいます)になってしまいます。

つまり、乳歯の虫歯が重症化してしまった場合には、永久歯に大きなダメージを与えてしまい、取り返しのつかないことになってしまうのです。

そのため、乳歯の虫歯は、こどもが嫌がっても治療をする必要があるのです。

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