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むすんで、ひらいて!! Archive

むすんで、ひらいて!! vol.65

「テレビは二歳まで見せないで!」
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子
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近年、テレビ・スマートフォン・インターネット等々、日々の中で増々あふれて来ました。
これらを与えると、子どもは夢中になり、集中力がついたかのように感じます。また、手もかかりません。では、なぜ、これらがいけないと言われているのでしょうか。今回は、長年、子どもの研究をされている金子保先生のご意見をご紹介します。

【テレビ視聴がいけない3つの理由】
①人間の魂が育たない
テレビからは一方的に意味不明の言葉と映像が流れてきます。テレビから聞こえる声をまねてしゃべっても、誰も応えてはくれません。褒めたり正したりしてくれることも、もちろん画面の中の物を触ることもできません。このような応答的反応がないと、自己認識の発達不全が起こります。このことはつまり、他者の心の動きを推測することや、他者が自分と違う信念を持っているということを理解する機能、心の理論(人の魂)が育たないことを意味します。

②立体的認識能力が育たない。
テレビは平面(二次元)の世界です。立体感がないので、片目で見ても、両目で見ても同じで、空間認識が出来なくなります。また、立体感を伴った聴力の発達を損害することも考えられています。現実の空間では、人がしゃべっていれば必ず距離があります。赤ちゃんの成長には、とても大事なことです。

③シンボル能力が育たない
子どもは、ある場面とその時の大人の言葉をとらえ、いろいろな場面でその中の一部が繰り返し出てくることに気づき、その部分が単語として分離して意識されるようになっていきます。これが言葉の象徴化・一般化であり、シンボル能力です。「場所や行為」と「言葉」が一緒に繰り返されることで、意味言葉が育ちます。つまり、実体験なしにこの能力は育ちません。また、実体験を伴わない早期教育(記号、数字、文字などの暗記)もテレビと同様にこの能力が育ちません。

これからの時代、これらの事に気をつけて養育することによって、発達障害の予防になるのではないでしょうか。実体験を重視した子育てを心掛けましょう。

むすんで、ひらいて!! vol.64

発達障害は予防できる?
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子
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「発達障害(自閉症スペクトラム、広汎性発達障害、ADHD等々)」は、近年、急増しています。社会性の欠如、感情面や情緒面の発達に障害があるのです。
その原因も治療法もまだはっきりとはしていませんが、その兆候は1~2歳の早い時期から見えます。
出来るだけ早く気づき対応することによって、ごく軽い状態やほとんど健常の発達になるということを、私も何度も経験してきました。

今回は、金子保先生(さいたま市 教育相談センター所長)のわかりやすい年齢別の兆候例をご紹介させていただきます。

言葉がわからない数か月の赤ちゃんでも「目を見てあやす」「話しかける」「笑わせる」。とても大切な事です。

むすんで、ひらいて!! vol.63

自閉傾向にある子の成長の波

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

30年前から私の所でも自閉症の子ども達の指導を行っているのですが、15年程前から相談が多く年々増えています。生活環境の変化も大きく関係しているかもしれません。

小平記念会・家庭教育研究所 土谷みち子先生の研究によれば、「乳幼児期にテレビ、ビデオ、DVD、スマホ等々 視聴の長い子どもは自閉症的な行動特徴を示す」と、マイナスの影響が強く示されています。

自閉症的というのは、生来的な脳の障害の自閉症ではなく、その症状が自閉症に非常によく似ているという事です。表情が乏しい、気持ちが通わない 等々。今回は、自閉症・自閉症的な子へのカウンセリング方法をご紹介しましょう。

方法は、まずプレイセラピー(遊戯療法)からで、ひたすら子どもの興味を示すものを一緒に遊び探します。言葉掛けをしながら頭を撫でる、抱きしめる、頬擦りをするなど、身体に触れこちらの気持ちを伝えることは欠かせません。また、心の隙間を見つけて信頼関係も作っていきます。

心の隙間というのは、「いない いない ばあ」をすると、一瞬、その時だけ目が合うとか、座っていると足をくっ付けてくる等です。ちょっとした相手のサイン、ふと見せる心のある行為を見逃さないのが大切です。

次に、揺さぶりをかけます。揺さぶりというのは、わざと嫌がることを少しやって反応を見ます。これには少し経験が必要でしょう。これを、ひたすら続けます。

成長には波があり、良かったり悪かったりの繰り返しです。

図は、私が7年間カウンセリングを行った子の成長の波です。この子の場合は、3年くらいでほぼ安定しました。

先天的な自閉症でも、自閉傾向にある子でも、健常児とほとんど変わらない人格的な発達が望めるようになると、私は考えています。しかし、早期の発見、指導が非常に大切で、大きくなればなる程、その成長が難しくなっていきます。やはり人との関わりはとても大切ですね。

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成長の波データ図

むすんで、ひらいて!! vol.62

 

忍耐の心を育てることが基本です。

一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

wakaba2019071.png私が幼稚園に勤務していた頃、今のようにフラフラと教室を出ていくような子どもはいませんでした。
100人以上の子ども達を絵本や紙芝居ではなく、素話で集中させるテクニックを持った先生にどうすれば子どもの心を惹きつけられるのか学んだものです。

今では、幼稚園や保育園どころか小学校でも各クラスに2~3人は平気で教室を出たりする子どもがいるそうです。
「学級崩壊」という言葉が出て来てもう何年になるでしょう。ますます激しくなっているかもしれません。子どもの育て方も随分変わりました。

気になることは昔と比べ「忍耐」の心が育っていないことです。
この忍耐の心とは2~3歳の頃(第一反抗期)、自我が目覚めた時の周りの大人の接し方がとても大切だと言われています。

今一度、「教育の父」とも言われるペスタロッチ(スイス)のゲルトルート児童教育法の言葉を書きます。
『自然は暴れる子どもに対して、いくら暴れても無駄だということを悟らせます。子どもは木を叩きます。自然はびくともしません。そこで、子どもは木や石を叩くのをやめます。次に、母親が子どもの欲しいままな欲望に対して、頑として応じません。子どもは暴れたり叫んだりします。母親はそれでもびくともしません。子どもは叫ぶのをやめます。子どもはだんだん母親の意思に自分の意思を従わせることが出来るようになります。忍耐の最初の芽が服従の最初の芽がこうして育っていくのです。』

この時期、しっかりと「ダメなものはダメ」ということを教えて下さい。先生の話、大人の話をしっかり聞けるよう育てることは親の役目です。人に愛される人間に育てましょう。

むすんで、ひらいて!! vol.61

「少年犯罪」について

一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

1969年、私立男子校で同級生を殺害する事件が起こりました。少年犯罪が大きく取り沙汰されるようになったきっかけだったかもしれません。団塊の世代が大学を迎える時期で、受験競争が激しくなっていた頃です。

少年の父親は教育関係の仕事をして、数々の教育本も出版していました。その頃、出されたものには、少年の成長の記録を一冊の本にまとめた物もあり、私はその本を読むと「まるでこの子は親の人形、作品ではないか」と可哀想になりました。

事件後、初めて、少年が親に逢った時、少年は「お父さん、ぼくはちゃんとお父さんの言う事を聞いてきたよね」と言ったそうです。何か子どもの心の淋しさを感じませんか。彼は親に愛されようと頑張っていたのです。

その後も、次々と少年犯罪は起こりました。学業成績を上げ、良い大学に行かせることが子どもの幸せにつながると信じてしまったのではないでしょうか。そして、親の見栄もあったように思います。

どの事件の少年・少女達も、暖かい愛情に包まれた楽しい幼児期を過ごしたとは思えないのです。生後6か月頃から2歳位までの間に育つと言われている愛着関係がしっかり育っていないように感じます。

1997年に起きた酒鬼薔薇聖斗事件では、当時の裁判官は「早幼児期の育ち方のあり方に問題があったと思います。愛された記憶のない子の気持ちがわかりますか。」というコメントを出されました。

子どもを育てる上で大切なものは愛情です。「お好きにどうぞ、守ってあげるよ。」という気持ちで接してあげると、子どもは幸せな気持ちで育ち、必ず親の期待に応えようとするはずです。

むすんで、ひらいて!! vol.60

「いたずら りさこちゃん」自閉症の女の子

一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

今回は3歳から7年間指導をした自閉症の女の子が年長児の頃に描いた絵本をご紹介したいと思います。
入室時は言葉もなく、目も合わず、名前を呼んでも振り向かず、思い通りにならないと癇癪を起こして手に負えない状態でした。
自閉症の子どもたちは、言葉で気持ちを表現するのが苦手なのですが、こんなにも豊かな心が育っていたのかと感動しました。
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むすんで、ひらいて!! vol.59

「高知能児ってどんな子?」
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子
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知能検査(発達診断)を教育に取り入れて34年、いろいろな事が見えてきました。
検査方法は個別式田中ビネー法、子どもと一対一で向き合う質問形式です。

幼児期は知能も成長期にあるため指数も不安定ですが、小学校高学年や中学生になるとほぼ正確な指数が出ます。
全国平均を100として算出し、高知能児は140以上の指数を示します。34年実施して20名もいないくらいです。
そんな子たちの検査をすると「どうしてこんなにきちんと考えられるのだろう」と感動します。最高指数は178という子がいました。東大でも稀だそうです。感覚・知覚・認知・思考・記憶・数量・図形・言語の発達が全てバランス良く発達していて、集中力・持続力もなければ高い指数にはなりません。

では、どのようにすれば高知能児は育つのか。
私の知る限り、ほとんどの高知能児のご両親は、子どもの意思を尊重し、子どもの自発的な発達を見守る姿勢で養育されていました。
遊びなどの日常生活の中で子どもが能動的にチャレンジする経験・体験を大切にし、子どもの世界・興味の幅、意欲をしっかり育てていました。

現代は、習い事を多くすると賢い子が育つという風潮にあるようですが、何かを習い「覚える」ということは記憶の部分だけの刺激でしかなく、本来の知能向上にはなっておりません。

本当に賢い子を育てるには、自然の生活の中で、子どもに「おや?」と思わせたり「どうしてかな?」「どっちかな?」「どうしよう」「おかしいな」と思わせたりしながら知的探求心を育てることがとても大切だと、私は感じております。

むすんで、ひらいて!! vol.58

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「グレーゾーンの子ども」について
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

先日、ある情報誌より「グレーゾーンの子ども」についての質問がありました。
今、非常に多いと言われる「グレーゾーン」。では、一体「グレーゾーン」とは何なのでしょうか。

まず、人の発達には「身体能力」「知的能力」「情緒の発達」があります。
「身体能力」は、体の発達ですね。次の「知的能力」は知的な発達で、これは発達診断・知能検査による発達で判定されます。全国平均を100として、IQ70以下を知的障害、70~80くらいまでを「グレーゾーン」、80以上を健常としています。しかし、(私も、この知能検査を実施しているのですが)幼児の場合、検査時の気分や慣れない環境などによって正確な指数が出ないことや、検査では計れない部分もあり、結果の指数だけで判断するのは危険なので注意が必要です。
最後は「情緒発達」です。情緒というのは感情面のさまざまな機能です。喜び、悲しみ、嫉妬心、競争心、等々。これは、通常、1~2歳頃に急速に発達し、3歳頃には、ほぼ完成すると言われています。そして、今、非常に多いのが、この情緒未発達の子どもです。

生まれつきまわりからの刺激を受け止めにくい子もいますし、生後の環境によって情緒が発達しそびれている子もいます。出来るだけ早く周りが気づき、極力、子どもと関わり、通常の発達の波に乗せてあげるよう対処することが大切です(テレビ・DVD・スマホ・ゲーム・プリントでの教育は対話不足になってしまい、あまり良くないです)。

子どもは日々成長しています。「グレーゾーン」は育て方次第で必ず健常な発達になると、私は確信しています。お子さんが心豊かに育つよう、体験を重視してたくさん関わってあげて下さい。

むすんで、ひらいて!! vol.57

「抱きしめてあげて」

‐育てなおしの心育て‐ という本を読んで

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

今回は子育てをするお父さん、お母さん、また、幼児の教育に関わる方々に是非読んでいただきたい本をご紹介したいと思います。

さまざまな育児雑誌の情報、育児法、教育法が氾濫する中、何を信じて育てれば良いのか、皆悩み試行錯誤しながら育てています。

全て子どもが将来幸せな生活が出来るように願っての親心なのです。

絶対に正しいというものがあれば皆そう育てるのでしょうが、それが20年、30年経って大人になり、社会に出ていろいろなかたちで結果が出てきます。どう育てればいいか悩むのは当然です。

今回、ご紹介する渡辺久子先生は、児童・乳幼児精神医学専門の医師で、私は講座を受け、本を読ませていただき感銘を受けました。

先生は「幼いとき どれだけ温かく明るい気分に包まれ、伸びやかに自分の要求を出し、それを受けとめてもらえたかによって人生や自分に対する基本的な信頼感や意欲が培われていくのです。」という事を書いておられました。

時代の変化により子育てのあり方が変化し、一番大切にしなければいけない「心を育てる」ことが欠けているように私も感じておりました。

「抱きしめてあげて」の他に「しあわせ脳を育てる(6歳までの子育て)」「思春期の子のこころがわからなくなったときに読む本」などがあります。

子育ての参考に一度読まれてみるのも良いかもしれません。

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むすんで、ひらいて!! vol.56

「健康な家族の中で子どもを育てる」
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

子どもを育てるうえで最も大切なことは、健康な家族を作ることだそうです。
どういう環境の中で生きてきたかということによってそれぞれ違ってきます。
自分がどのような親子関係でどのように養育されてきたかが全ての人の人間関係の基盤になるというわけです。

例えば、対人関係を苦痛に感じる人は、親が子供に注意する・叱る・しつける等いつも支配と服従という人間関係の中で育ったことが多く、逆に、意見の違いということがあっても、本質的には他の人と自分は対等という家庭内の人間関係で育った人は非常に協調的で安心して人間関係が持てます。

このようなことで人間関係を学んでいくわけです。

親が子どもをしかりつける時に大切なことは『してもいいこと、悪いことをただくりかえし伝えること』その分別をいつから子どもが実行できるのかは、子供に任せてゆっくり待ってあげる。こうゆう姿勢が子どもの中に自律性を育てるのです。基盤はお父さん、お母さんです。ちょっと心がけて素敵な家族を作っていってください。

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