Home > むすんで、ひらいて!!

むすんで、ひらいて!! Archive

むすんで、ひらいて!! vol.51

「こんな教育もあります」
シュタイナー教育について

一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子
wakaba201808_01.jpg
先日、あるお母さんからこのような悩みを聞きました。「私は子どもを賢く育てる為に、小さな頃から、お金や時間をかけてきました。しかし、小学校に入ると何でも出来る子がたくさんいました…」我が子が一番だと思う気持ちは誰にでもあるのではないでしょうか。
小学校に入ると、テストの点数が出されたり評価があったりで、つい親もそこで判断してしまいがちです。

モンテッソーリ教育と並んで世界で実施されているものにシュタイナー教育というものがあります。今回はその教育について少しお話します。
シュタイナー教育では、子どもが生まれてから大人になるまでの約20年間を、三つの「7年期」に分けて、それぞれの教育課題を定めています。
まず、第1・7年期は、生まれてから7歳までの期間で、主な課題を、身体の健全な発育と、五感による環境模倣としています。
第2・7年期は、ほぼ7歳から14歳までの期間で、豊かな感情を育てる時期です。
最後の第3・7年期は14歳から21歳までの期間で、自我を育てる時期、ここではじめて、思考力・判断力・知力というものに重点を置いた教育をします。

シュタイナー教育では最終的な目標を、自分で考え、自己の感情を持って、それを実行できる人間「自由を獲得した人間」になる事としています。

小学校入学前の乳幼児期は、シュタイナー教育でいう第1・7年期、五感を使いひたすら模倣し、生きること、働くさま、話すこと、親や周囲の人の行動を知覚し世の中を学んでいく時期です。ですから、この時期に知識を早期教育すれば、子どもは急速に覚えこんでいくように見えます。しかし、それは機械的な反射でしかなく、逆に、子どもの思考を強制し、意志力・行動力というものが十分に育ちません。

意志力・行動力があるということは生きていく上でとても重要なことです。そういった面にも目を向けて養育されたら良いと思います。

むすんで、ひらいて!! vol.50

wakaba20180701.jpg「長年、子ども達の指導をして来て思うこと」
④ 発達診断、知能検査について
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

田中ビネー知能検査は日本を代表する個別式の検査で、私は30数年前から活用し、保護者と共に子育ての参考にしています。検査は一対一で向き合い、教具(おもちゃ等)を使って口答質問で行います。1歳から成人まで実施できるもので、14歳までは年齢ごとに質問が決まっています。
例えば、5歳であれば、まず、5歳級の問題を実施します。不合格となった部分が一問でもあれば4歳級の問題も全て行い、4歳級でも不合格があれば3歳級を…と、全ての問題が合格できるまで行います。上の年齢級は逆に、6歳級、7歳級と全ての問題が不合格となるまで行います。
こうしていくと、その子の発達しそびれている部分や優れている部分が見えてくる訳です。
また、その結果によって全国平均を100として算出され、70以下を知的障害とされています。

知能指数自体は、10歳位までは変動があり、3~4歳位で70以下であってもある時期急激に伸びることもあります。
検査中、私が特に注意して見るのが不合格となった部分です。
〇全く問題の意味がわからず不合格になった。
〇問題の意味はわかっているが言葉が上手く出て来ない。
〇答えはちゃんと言えたが時間オーバーだった。
などで、同じ不合格でも大きな違いがあり、それを知ることによって その子への養育も変わってきます。
知能検査は、単に「知能が進んでいる」とか「遅れている」と評価するためだけにあるのではなく、ひとり ひとりの成長状態を捉え、今後、どうしたらいいか指針を得る為のとても有効な検査です。一度、受けてみるのも子育ての参考として良いと思います。

むすんで、ひらいて!! vol.49

「長年、子ども達の指導を
して来て思うこと」
③幼児期に決めつけないで下さい。
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

20180530wakaba.jpg
最近、2〜3歳で障害名を診断されることが多いように思います。それが良いことか悪いことかはわかりませんが、幼児期のうちからその障害名にこだわり過ぎるのも良くないと私は感じています。

私の所には「1〜2歳からなんとなく発達が気になる」という相談が多く、その後10年以上その子を教育させていただくこともあります。幼稚園、小学校低学年までは、先生からの叱責も多く心配も多いのですが、高学年になってくるとスーッと変化して非常に優秀な子どもに成長することもあります。知能指数も130以上と高い指数を示し、高校、大学とスムーズに成長していきます。

実はこのように、高い知能を持つ子どもの中にも、幼児期に障害があるのではないかと思われるような行動(多動、一つの遊びに異常に興味を示す、興味の対象が次々に移り変わる、集団行動がとれない、言葉の発達の遅れ など)や、心が育っているにも関わらず通常の発達と違う成長をする子がいます。私は、そういう子どもの成長を何名も見てきました。

幼児期に通常の発達をしていないからといって障害があると決めつけてしまうのは、その子自身にとっても良くありません。親は、その時期、その時期に気にかかるところを教育・指導して、本人の自尊心を傷つけないよう手助けをするという気持ちで養育していくことが大切です。

人の成長は不思議です。型にはめない方が伸びる子もいます。何年やっても一人ひとり違います。

幼児心理カウンセラーという資格認定ができて10年、私は初年度 第1号として認定を受け、これまで活動を続けてまいりましたが、今年「一般財団法人田中教育研究所」より幼児心理カウンセラー特別認定をいただきました。これからも、子どもを見つめていきたいと思います。

むすんで、ひらいて!! vol.48

「長年、子ども達の指導をして来て思うこと」

②読者の声にお答えします。

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

wakaba201804.jpg

「上の子12歳、第1幕の育て方を失敗したぁと思いました。今から第2幕で修正可能かがとても気になります。続編があれば是非ご指導いただきたいです。」

前々回Vol.46

【第1幕】幼児、学童期(子ども時代)

幼児(絶対的依存)

学童期(依存)

【第2幕】思春期(青年期)

依存から自立へ(過渡期)

身体的変化(二次性徴発現)

【第3幕】成人期(大人の時代)

心理的社会的自立

第1幕で、幼児・学童期の育ち方が、その後、大きく影響してくるということを書きました。土台となる性格は幼児期にあるということは実感しますが、気にかかるところを直そうと育てられることで子どもは変化してきます。

親の気づきはとても大切なことで「失敗したかも」と思った時点で、もうすでに直そうとしているものです。12歳のお子様は現在親の思い通りにならない部分が多くなっていらっしゃるのでしょう。たぶんどの親も「幼児期の育て方が間違ったのでは…」と自分を責める時があります。それが第2幕の思春期です。

それまでの子どもと確かに違うのです。急にしゃべらなくなったり、何か注意すると「プイッ」と怒ったり「あんなにいい子だったのに…」と思う時が来ます。もう思い通りにはなりません。子どもは親の知らないところでいろいろ経験をし、自分を確立しようともがいているのです。「さなぎ」の状態ですから、子どもを信じてただ「見守る」ということが大切です。子どもが意見を求めて来た時だけ一緒に考えてあげると良いと思います。親から愛情と信頼を受けて育てられた子どもは、決して親や他人を裏切るような人間にはなりません。親はおいしい食事を作り、子どもが帰ってホッとするような居心地の良い家を作ることが一番大切だと思います。

むすんで、ひらいて!! vol.47

むすんで、ひらいて!! vol.47

「長年、子ども達の指導をして来て思うこと」

①3歳前後の診断はまだ曖昧です。

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

kurumesutairu20180228.jpg

健常児、問題を抱える子ども、先天的な障がいを持つ子ども、さまざまな子ども達と日々接しています。1対1の場合も3~4人でのグループの場合もありますが、1時間座ってじっくり向き合います。向き合うことによってその子の成長が深く見えてきます。導き方もわかってきます。

ある時テレビで、長年大工をしている方が「木を見れば、その木で家を建てると何年位もつ家が出来るか、だいたいわかる。」とおっしゃっていました。どの職業でも経験によって見えてくるものがあると思います。私も最近フトそういう感覚を感じる時があります。

2歳、3歳で「自閉症スぺクトラムではないかと言われました。」「ADHD(注意欠如多動性障害)ではないかと言われました。」と相談に来られる方が最近とても多いようです。

2~3歳の子どもは大人が理解できないような行動をとることがよくあります。

「目が合いにくい」「名前を呼んでも振り向かない」「人と交わろうとしない」「言葉が出ない」「独り言ばかりで会話にならない」等、このような時期に診断を受けると、当然、診断基準からはずれている部分がどの子にも出てきます。では、そんな時、どうすればいいのか。

●目が合いにくければ、顔を近づけて目を見て話しかける。

●遊びにこだわりがあれば少しずつそれを壊し、他の遊びの楽しさを教える。

●言葉が出なければ、話しかけを多くしたり、声が出るような遊びをしたりする。

●パニックを起こす子であれば、穏やかな心で優しさを教えるように接する。

子どもは必ず吸収していきます。成長していきます。

むすんで、ひらいて!! vol.46

「こんな意見・研究があります。」

⑤何を目的に子どもを育てているのでしょう。

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

wakaba201802.jpg

人が産まれ成人(大人)になるまでの過程を大きく3つに分けると

【第1幕】

幼児、学童期(子ども時代)

幼児(絶対的依存)

学童期(依存)

【第2幕】

思春期(青年期)

依存から自立へ(過渡期)

身体的変化(二次性徴発現)

【第3幕】

成人期(大人の時代)

心理的社会的自立

この成人期をいかに幸せに過ごすか目的は長い成人期を幸せに送る為に育てている訳です。

第1幕は10〜12歳位まででほぼ親の意見考えで子どもは行動するのですが、第2幕に入ると自我の芽生えが著しく何でも自分で考えやりたがります。

この時期第1幕の時期の育ち方が大きく影響してくるといわれています。そして大人になっても第1幕の時期の育ちのあり方が基盤となって残ります。

現在50代後半以降の方はほとんど今の子ども達の育ち方に疑問を持っていらっしゃると思います。

公園があるのに子どもが遊んでいない、小さい頃から記憶すること、ドリル慣れをすることを勉強、学びと思っている方が多いように思います。

五感「触れる・臭う・見る・聞く・味わう」情緒体験が非常に少なくなっているようです。「体験欠乏症候群」という言葉もあるほどです。

情緒、心や感性を育てる時期に真の学びを体験しないまま大人になってしまうのではないでしょうか。

第1幕の依存と信頼関係がいかにしっかり確立されるかが以後の人生に大きな影響を及ぼすといわれています。

むすんで、ひらいて!! vol.45

むすんで、ひらいて!! vol.45

wakaba2018011.jpg

「こんな意見・研究があります。」

④心が順調に育っているかを確かめる

3つのポイント。 一般財団法人田中教育研究所 幼児心理カウンセラー  野田 鏡子 子どもを産み育てるということほど大変なことはないのではないかと最近良く思います。 母親は子どもを産んだ瞬間から全くと言っていい程「自分」というものが陰を潜めてしまい、日々の家事、育児に追われます。 それを喜びと感じるか苦痛と感じるかは人それぞれですが、母親の気持ちをそのまま受けて育つのが子どもです。 子どもは大人が思う以上にまわりの環境や母親の気持ちを感じ取っています。そして、それが子どもの将来の人間性の基盤になっていきます。 今回は、小児精神科医・渡辺久子先生の「子どもの心が順調に育っているかどうかを確かめる3つのポイント」を紹介します。 ①家庭の中、特に母親の前で安心して自分の本音が出せているかどうか、泣きたいとき泣き、怒りたいとき怒り、その後はカラリと穏やかな心に戻れるかどうか、甘えたいとき遠慮せずに母親に体で甘えてこられるか。 ②自分の考えや感じ方を持っていて、お母さんが良いと思って押し付けても、嫌なら「いやだ」とハッキリ断れるかどうか。やりたいことを自分で見つけて、失敗を恐れず挑戦できるかどうか。また、もし失敗しても、それほどこだわりなく気を取り直せるかどうか。 ③対人関係であまり緊張しないで、ありのままに近い自分の気持ちが出せているかどうか。 以上、いかがでしょう。 心と脳の発達は遺伝的資質もありますが、それ以上に環境的な影響も大きいと考えられています。 二度とない幼児期、子どもが幸せな気持ちで日々過ごせるよう、お母さんも子どもを育てる喜びを日々感じていたいですね。

むすんで、ひらいて!! vol.44

「こんな意見・研究があります。」

④子どもの遊びの変化

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

wakaba20171205.jpg子どもにとって『遊び』は学びです。卒園前の年長児に関する遊びの調査で、ベネッセ教育総合研究所は、「‘遊び込む経験’が多い年長児ほど学びに向かう力は高い。」「保育者が子どもの‘やりたい’気持ちを尊重しているなど、受容的に関わっているほど年長児の‘遊び込む経験’が多くなる。」「園で自由に遊べる時間や場所・遊具や素材があるなど、環境が充実しているほど年長児の‘遊び込む経験’が多くなる。」「‘遊び込む経験’と‘友達との協同的な活動’の経験の多さは関連している。」と報告をしています。

しかし、近年、集団生活がうまく出来ず動き回る子や、他の子どもとコミュニケ―ションが上手くとれない、相手の気持ちを読みとる、社会性が身についていない子が増え大きな問題となっています。それは、この『遊び』がTV・DVDの視聴、ゲーム機を長時間するなど受動的ものへと変化したのが要因のひとつになっているのではないかと思います。

幼稚園・保育園を選ぶ際も、遊具やのびのびと体を使って遊べる園庭、保育者の導き方を見て、子どもが楽しんで園生活を送れるよう心掛けてあげる必要があります。
ですが、それ以上に、親が子どもと共に楽しんでコミュニケ―ションをとりながら『遊び』の経験の幅を広げ、「知りたい」「学びたい」「もっとやりたい」という意欲を満たすよう導いていくことが大切です。

むすんで、ひらいて!! vol.43

「こんな意見・研究があります。」

③少年犯罪について

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

wakaba201711.jpg 子どもが親を、兄弟を、友人を殺めるといった悲惨なニュースを目にすることがあります。狭い世界での犯罪で、些細なことでカッとなる感情的な事件が多いように思われます。

ある凶悪な少年犯罪の時、裁判官の方が出されたコメントで、私の心の中にずっと残っている言葉があります。「早乳幼児期の育ちのあり方に問題があったのではないか、愛された記憶のない子の気持ちがわかりますか。」

犯罪を犯してしまった子ども達に共通するもの、それは自己嫌悪感ではないかと私は思います。

自分は誰からも愛されない必要とされてないと思い、自分を嫌いになってしまっているのです。

精神科医の佐々木正美先生は「愛を受けた子は犯罪に走らない。」と言っています。私もそれを強く感じます。

ロバート・エムディ博士は、ソーシャルレファレンス(社会的問い合わせ)という感情は生後6か月から1歳半ないし2歳くらいまでに育ち、社会のルールを守るための重要な基礎となるとしています。

ハイハイをする時期、子どもは不安に思ったとき必ず親の方を振り返り親の表情を確認します。

「いいよ」と笑顔で答えれば安心して前に進むし、「だめ」とこわい顔で答えればその場に止まります。

赤ちゃんは、日々の中で愛され見守られ初めて人の視線を感じ、性格の基盤が出来てきます。

見守る視線があるか、フォローしてくれる人がいるか、振り返っても自分をフォローしてくれる視線がないことを繰り返してしまったらソーシャルレファレンスは育ちません。

『三つ子の魂百まで』というのは、こういう点を言っているのではないでしょうか。まわりの大人達から愛情をたくさん受けた子は、いつもニコニコして楽しそうです。親が皆、笑顔で見守る育児をしたらきっと犯罪を犯す子は少なくなると思います。

むすんで、ひらいて!! vol.42

「こんな意見・研究があります。」

②子どもの心は

いつから育っていくのでしょう

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

人は生まれてからおよそ三年間の年月をかけて生涯にわたる心の原型を形づくっていくと言われています。

今回は、マーガレット・マーラーが乳幼児の母子関係の観察を元に体系づけた「心の誕生プロセス」を紹介します。

201710wakaba.jpg

【自閉期】

生後1、2か月の赤ちゃんの心の世界は、自他や内外の区別がなくウトウトした状態で、自らの意思で何かをすることはありませんが、自己の中で快・不快の感覚を感じとり両者の区別をします。

【共生期】

生後2か月目に入る頃からは少しずつ外界が見えて来ます。

おっぱいを与えている時、じっと母親の目を見ていたり優しい口調であやすと穏やかな表情をしたりします。この時期に感情が満たされた赤ちゃんと、泣いても泣いてもだれもかまってくれず泣くのをあきらめてしまった赤ちゃんとでは、当然、心の芽生えは違って来ます。

【分離・個体化期】

およそ生後4か月から36か月にかけて起こります。

〈分化期〉目で見て耳で聞き、手で触ることによって外界の世界に注目し取り入れようとします。生後7〜8か月頃になると、お母さんとそれ以外の人を見分けるようになり人見知りが始まります。

〈練習期〉10か月から18か月には、お母さんをホームベースにして這い這いやよちよち歩きをして周りの世界の探索を始めます。

〈再接近期〉15か月〜36か月くらいまでには、自分がお母さんとは分離した一個の存在であるということにはっきり気づいてきます。歩行によって芽生えた分離意識と、お母さんなしには無力なことに気づくことから幼児の分離不安が高くなり絶えずお母さんの存在を確認し母親を強く求め始めます。

〈個体性の確立期〉生後24か月から36か月には、お母さんから離れても心のよりどころであるお母さんの全体像を思い浮かべることが出来、この依存対象が心の中に確立した状態を心の誕生としています。

この三年間は非常に大切で、その後の人生の生き方にも大きく影響すると私も思います。穏やかで、暖かく、優しく、楽しく満ち足りた時期を過ごしてほしいものです。

Home > むすんで、ひらいて!!

Search
Feeds
Meta

Return to page top