Home > むすんで、ひらいて!!

むすんで、ひらいて!! Archive

むすんで、ひらいて!! vol.55

「幼児心理カウンセラーについて」
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

幼児心理カウンセラーとして2014年から毎月コラムを掲載させていただき55回目となりました。これまで、私が幼児教育者として学んだこと、経験して来た事を思いのままに書いて来ましたが、参考になっているでしょうか。

今回は、そんな私の幼児心理カウンセラーという資格が、どういったものなのかを少しご説明したいと思います。

この資格は、財団法人 田中教育研究所の幼児教育者を対象としたもので、2007年より資格の認定制度が開始されました。

子どもの発達上で問題が起こったとき、それをどう解決していったらいいか、発達を促進するためにはどんな働きかけが必要か、専門的な技法と知識によって発達を促す事が目的です。

幼児は周りの状況が変化すると、発達上問題になっている部分が嘘のように変わっていくことがよくあります。特に、2・3歳までの早期発見、早期指導は効果的です。

また、田中教育研究所は、終戦間もない1948年に設立され、日本で最も古い歴史を持つ研究機関でもあります。個別式知能検査(田中ビネー式知能検査)は、現在でも医療・教育・福祉などさまざまな分野で活用されている日本を代表する検査法です。

子どもは常に変化し、伸びようとしています。伸びようとしている芽を見つけ手助けをしてあげる事が幼児心理カウンセラーの役目だと思っています。

201812-wakaba.jpg

むすんで、ひらいて!! vol.54

「長年、子どもの指導を

して来て思うこと」

⑦心はちゃんと育っていますか?

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

「昔と今の子育ては違っていますか?」という質問をよくされます。思えば、今のお父さん・お母さん方が産まれる頃から知能育成の教室をしているのですが、昔と今とではかなり違うように思います。

私が一番に思うのは、あまりにも幼い頃から知識を教える事に重点を置いた子育てになっているということです。

「文字を教える」「数字を教える」「計算、漢字、アルファベット」と次々に覚えさせることが賢い子どもを育てることと思っていらっしゃる方が多いようです。しかし、それは全く違うと私は思っています。

まず、幼児期に親として子どもにしなければいけないことは、人として生きていく上での人間形成。「これはしていいこと」「してはいけないこと」の判断が出来るように育てていくことです。

小学校に入って、先生の話を聞けない、友達とうまく付き合えない等々、さまざまな事が問題になっています。子どもと向き合って話し、ひとつひとつ教えていくことが大切です。

お友達が車で遊んでいて、突然、横から取ってしまいケンカになる。そういう事は良くあります。「だめよ!」だけでなく、「取られたら悲しいよね、ちょっと貸してと言ってみたら?」と声掛けをするだけで、子どもは素直に受け入れます。

100%完璧な教育はできませんが、親がちょっと心掛けるだけで、随分違いますよ。我が子が大人になった時の事を想像して、人に愛される子に育てることが大切です。

文字や数や知識は、後からでも十分覚えます。心配しなくても良いのです。

201811-wakaba01.jpg

むすんで、ひらいて!! vol.53

「長年、子どもの指導を

して来て思うこと」

⑥子どもは自信を持たせることで伸びていきます。

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

3年前、台湾から発達診断(田中ビネー知能テスト個別式)を受けたいと来室された方がいらっしゃいました。

このテストは、個別で1歳から大人まで実施出来るもので、非常に正確にその子の発達がわかります。

台湾からこられた方は、小学校3年生の男の子、学校ではよく注意を受け叱られることが多く、保護者の方も心配し受けに来られました。

9歳の彼は、子どもの部分から13歳までの問題をほぼ全問合格し、私も30年以上この検査をしていてこれ程きちんと答えられる子どもは初めてでした。非常に高い知能です。

その検査結果を学校の方にも提供され、先生の子どもに対しての見方も変わったという連絡がありました。

その時、私は「型にはめないで、好きなことをのびのびとされていかれると必ず伸びていきます。」ということを伝えました。

あれから数検に興味を持ち、先日2級に合格し、現在は高3の数Ⅲを学んで六年生のうちに準一級を目標としているそうです。また成人級の知能テストも受けたいということでした。

小学生時代、子どもは大人に対して不信感を持ち、反抗的な態度になるものです。どんなに反抗的な言葉や態度をとっても暖かく包む愛情で接してあげれば、必ずそれに応えてくれるものです。

子どもは非常に敏感に人の愛情を感じます。ただ叱っても効果はないとつくづく思います。

201810-wakaba.jpg

むすんで、ひらいて!! vol.52

「長年、子どもの指導を
して来て思うこと」
wakaba2018_09.jpg⑤叱れば叱るほど、育てにくい子どもに
なるような気がします。
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

先日もスーパーで、思いっきり大声で子どもを叱っているお母さんを見かけました。
叱っている当の本人のお母さんは、もう全く周りが見えていません。客観的に自分の姿が見れなくなっていました。とても大きな怒鳴り声でした。「何度言ったらわかるの!」「いいかげんにしなさい」「ダメ!」しばらくするとまた怒鳴っていました。
子育ては大変です。思い通りになりません。疲れます、イライラします、その気持ちはよくわかります。自分の感情を抑えることはなかなか難しいです。しかし、それが子どもを育てる試練なのかもしれません。
小さい子どもほど、動作も行動も全てがゆっくりですし、手先の神経の発達もまだ十分ではないので、お茶をこぼすことも、物を落として壊すこともあります。して良い事と悪い事の判断も出来ません。スーパーでむやみに物を触ってはいけないということも知らないのです。
少しずつ教えられ、経験して覚えていくしかないのです。
ひとりの人間を育てる基盤は幼児期に作られると言われています。「……しなさい」と命令的な言い方をちょっと変えて、「……してみようか」「……できるかな?」と言い換えてみて下さい。子どもはとても素直にお母さんの言うことを聞くようになります。
子どもは、優しくいつも自分を守ってくれるお母さんが大好きです。思う存分甘えられるお母さんでいいのです。甘えが満ち足りると心は安定し、悪い事はあまりしません。
自分は、家族から守られ、信頼され、愛されているという実感を持つことによって、外に向かって成長していくものです。ちょっと心掛けてみて下さい。

むすんで、ひらいて!! vol.51

「こんな教育もあります」
シュタイナー教育について

一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子
wakaba201808_01.jpg
先日、あるお母さんからこのような悩みを聞きました。「私は子どもを賢く育てる為に、小さな頃から、お金や時間をかけてきました。しかし、小学校に入ると何でも出来る子がたくさんいました…」我が子が一番だと思う気持ちは誰にでもあるのではないでしょうか。
小学校に入ると、テストの点数が出されたり評価があったりで、つい親もそこで判断してしまいがちです。

モンテッソーリ教育と並んで世界で実施されているものにシュタイナー教育というものがあります。今回はその教育について少しお話します。
シュタイナー教育では、子どもが生まれてから大人になるまでの約20年間を、三つの「7年期」に分けて、それぞれの教育課題を定めています。
まず、第1・7年期は、生まれてから7歳までの期間で、主な課題を、身体の健全な発育と、五感による環境模倣としています。
第2・7年期は、ほぼ7歳から14歳までの期間で、豊かな感情を育てる時期です。
最後の第3・7年期は14歳から21歳までの期間で、自我を育てる時期、ここではじめて、思考力・判断力・知力というものに重点を置いた教育をします。

シュタイナー教育では最終的な目標を、自分で考え、自己の感情を持って、それを実行できる人間「自由を獲得した人間」になる事としています。

小学校入学前の乳幼児期は、シュタイナー教育でいう第1・7年期、五感を使いひたすら模倣し、生きること、働くさま、話すこと、親や周囲の人の行動を知覚し世の中を学んでいく時期です。ですから、この時期に知識を早期教育すれば、子どもは急速に覚えこんでいくように見えます。しかし、それは機械的な反射でしかなく、逆に、子どもの思考を強制し、意志力・行動力というものが十分に育ちません。

意志力・行動力があるということは生きていく上でとても重要なことです。そういった面にも目を向けて養育されたら良いと思います。

むすんで、ひらいて!! vol.50

wakaba20180701.jpg「長年、子ども達の指導をして来て思うこと」
④ 発達診断、知能検査について
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

田中ビネー知能検査は日本を代表する個別式の検査で、私は30数年前から活用し、保護者と共に子育ての参考にしています。検査は一対一で向き合い、教具(おもちゃ等)を使って口答質問で行います。1歳から成人まで実施できるもので、14歳までは年齢ごとに質問が決まっています。
例えば、5歳であれば、まず、5歳級の問題を実施します。不合格となった部分が一問でもあれば4歳級の問題も全て行い、4歳級でも不合格があれば3歳級を…と、全ての問題が合格できるまで行います。上の年齢級は逆に、6歳級、7歳級と全ての問題が不合格となるまで行います。
こうしていくと、その子の発達しそびれている部分や優れている部分が見えてくる訳です。
また、その結果によって全国平均を100として算出され、70以下を知的障害とされています。

知能指数自体は、10歳位までは変動があり、3~4歳位で70以下であってもある時期急激に伸びることもあります。
検査中、私が特に注意して見るのが不合格となった部分です。
〇全く問題の意味がわからず不合格になった。
〇問題の意味はわかっているが言葉が上手く出て来ない。
〇答えはちゃんと言えたが時間オーバーだった。
などで、同じ不合格でも大きな違いがあり、それを知ることによって その子への養育も変わってきます。
知能検査は、単に「知能が進んでいる」とか「遅れている」と評価するためだけにあるのではなく、ひとり ひとりの成長状態を捉え、今後、どうしたらいいか指針を得る為のとても有効な検査です。一度、受けてみるのも子育ての参考として良いと思います。

むすんで、ひらいて!! vol.49

「長年、子ども達の指導を
して来て思うこと」
③幼児期に決めつけないで下さい。
一般財団法人田中教育研究所
幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

20180530wakaba.jpg
最近、2〜3歳で障害名を診断されることが多いように思います。それが良いことか悪いことかはわかりませんが、幼児期のうちからその障害名にこだわり過ぎるのも良くないと私は感じています。

私の所には「1〜2歳からなんとなく発達が気になる」という相談が多く、その後10年以上その子を教育させていただくこともあります。幼稚園、小学校低学年までは、先生からの叱責も多く心配も多いのですが、高学年になってくるとスーッと変化して非常に優秀な子どもに成長することもあります。知能指数も130以上と高い指数を示し、高校、大学とスムーズに成長していきます。

実はこのように、高い知能を持つ子どもの中にも、幼児期に障害があるのではないかと思われるような行動(多動、一つの遊びに異常に興味を示す、興味の対象が次々に移り変わる、集団行動がとれない、言葉の発達の遅れ など)や、心が育っているにも関わらず通常の発達と違う成長をする子がいます。私は、そういう子どもの成長を何名も見てきました。

幼児期に通常の発達をしていないからといって障害があると決めつけてしまうのは、その子自身にとっても良くありません。親は、その時期、その時期に気にかかるところを教育・指導して、本人の自尊心を傷つけないよう手助けをするという気持ちで養育していくことが大切です。

人の成長は不思議です。型にはめない方が伸びる子もいます。何年やっても一人ひとり違います。

幼児心理カウンセラーという資格認定ができて10年、私は初年度 第1号として認定を受け、これまで活動を続けてまいりましたが、今年「一般財団法人田中教育研究所」より幼児心理カウンセラー特別認定をいただきました。これからも、子どもを見つめていきたいと思います。

むすんで、ひらいて!! vol.48

「長年、子ども達の指導をして来て思うこと」

②読者の声にお答えします。

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

wakaba201804.jpg

「上の子12歳、第1幕の育て方を失敗したぁと思いました。今から第2幕で修正可能かがとても気になります。続編があれば是非ご指導いただきたいです。」

前々回Vol.46

【第1幕】幼児、学童期(子ども時代)

幼児(絶対的依存)

学童期(依存)

【第2幕】思春期(青年期)

依存から自立へ(過渡期)

身体的変化(二次性徴発現)

【第3幕】成人期(大人の時代)

心理的社会的自立

第1幕で、幼児・学童期の育ち方が、その後、大きく影響してくるということを書きました。土台となる性格は幼児期にあるということは実感しますが、気にかかるところを直そうと育てられることで子どもは変化してきます。

親の気づきはとても大切なことで「失敗したかも」と思った時点で、もうすでに直そうとしているものです。12歳のお子様は現在親の思い通りにならない部分が多くなっていらっしゃるのでしょう。たぶんどの親も「幼児期の育て方が間違ったのでは…」と自分を責める時があります。それが第2幕の思春期です。

それまでの子どもと確かに違うのです。急にしゃべらなくなったり、何か注意すると「プイッ」と怒ったり「あんなにいい子だったのに…」と思う時が来ます。もう思い通りにはなりません。子どもは親の知らないところでいろいろ経験をし、自分を確立しようともがいているのです。「さなぎ」の状態ですから、子どもを信じてただ「見守る」ということが大切です。子どもが意見を求めて来た時だけ一緒に考えてあげると良いと思います。親から愛情と信頼を受けて育てられた子どもは、決して親や他人を裏切るような人間にはなりません。親はおいしい食事を作り、子どもが帰ってホッとするような居心地の良い家を作ることが一番大切だと思います。

むすんで、ひらいて!! vol.47

むすんで、ひらいて!! vol.47

「長年、子ども達の指導をして来て思うこと」

①3歳前後の診断はまだ曖昧です。

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

kurumesutairu20180228.jpg

健常児、問題を抱える子ども、先天的な障がいを持つ子ども、さまざまな子ども達と日々接しています。1対1の場合も3~4人でのグループの場合もありますが、1時間座ってじっくり向き合います。向き合うことによってその子の成長が深く見えてきます。導き方もわかってきます。

ある時テレビで、長年大工をしている方が「木を見れば、その木で家を建てると何年位もつ家が出来るか、だいたいわかる。」とおっしゃっていました。どの職業でも経験によって見えてくるものがあると思います。私も最近フトそういう感覚を感じる時があります。

2歳、3歳で「自閉症スぺクトラムではないかと言われました。」「ADHD(注意欠如多動性障害)ではないかと言われました。」と相談に来られる方が最近とても多いようです。

2~3歳の子どもは大人が理解できないような行動をとることがよくあります。

「目が合いにくい」「名前を呼んでも振り向かない」「人と交わろうとしない」「言葉が出ない」「独り言ばかりで会話にならない」等、このような時期に診断を受けると、当然、診断基準からはずれている部分がどの子にも出てきます。では、そんな時、どうすればいいのか。

●目が合いにくければ、顔を近づけて目を見て話しかける。

●遊びにこだわりがあれば少しずつそれを壊し、他の遊びの楽しさを教える。

●言葉が出なければ、話しかけを多くしたり、声が出るような遊びをしたりする。

●パニックを起こす子であれば、穏やかな心で優しさを教えるように接する。

子どもは必ず吸収していきます。成長していきます。

むすんで、ひらいて!! vol.46

「こんな意見・研究があります。」

⑤何を目的に子どもを育てているのでしょう。

一般財団法人田中教育研究所

幼児心理カウンセラー  野田 鏡子

wakaba201802.jpg

人が産まれ成人(大人)になるまでの過程を大きく3つに分けると

【第1幕】

幼児、学童期(子ども時代)

幼児(絶対的依存)

学童期(依存)

【第2幕】

思春期(青年期)

依存から自立へ(過渡期)

身体的変化(二次性徴発現)

【第3幕】

成人期(大人の時代)

心理的社会的自立

この成人期をいかに幸せに過ごすか目的は長い成人期を幸せに送る為に育てている訳です。

第1幕は10〜12歳位まででほぼ親の意見考えで子どもは行動するのですが、第2幕に入ると自我の芽生えが著しく何でも自分で考えやりたがります。

この時期第1幕の時期の育ち方が大きく影響してくるといわれています。そして大人になっても第1幕の時期の育ちのあり方が基盤となって残ります。

現在50代後半以降の方はほとんど今の子ども達の育ち方に疑問を持っていらっしゃると思います。

公園があるのに子どもが遊んでいない、小さい頃から記憶すること、ドリル慣れをすることを勉強、学びと思っている方が多いように思います。

五感「触れる・臭う・見る・聞く・味わう」情緒体験が非常に少なくなっているようです。「体験欠乏症候群」という言葉もあるほどです。

情緒、心や感性を育てる時期に真の学びを体験しないまま大人になってしまうのではないでしょうか。

第1幕の依存と信頼関係がいかにしっかり確立されるかが以後の人生に大きな影響を及ぼすといわれています。

Home > むすんで、ひらいて!!

Search
Feeds
Meta

Return to page top