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くるめ食素材探検 Archive

くるめ食素材探検 vol.78

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クマもタヌキも食べない臭いアレ「ニラ」編

文/靏久 格(産直や 蔵肆)

餃子のたねやレバニラ炒めなどでおなじみのニラ。ハウス栽培もあり年中流通しているお野菜ですが、旬は春先から夏場にかけて。ちなみに夏の季語に「ニラの花」がございます。とても可憐で線香花火のような花なんですよ。

原産は東南アジア、日本には9世紀ごろ入ってきたようですが、滋養強壮の薬草として利用されていたようです。どれくらい強いかって俗称を起陽草といいまして、男性の精力増進からの命名なんだとか。そういえば、みやぎのニラブランドに「もっこりニラ」という直球なネーミングが。長崎の「ニラめっこ」がかわいく見えますね。

閑話休題、当時はおかゆなどにいれて食していたそう。お野菜として利用するようになったのは明治以降だそうです。

ニラは手間がかかりませんし、ちょっとぐらい日陰でも伸びてきます。また生命力がつよく、根を彫り上げなければ10回程収穫できますし、枯れてしまっても翌年また出てきます。ぜひ家庭菜園などで新鮮な「ニラ」を栽培してみてはいかがでしょうか。プランターでもできますよ。ただ、スイセンの葉(有毒)との誤食がありますので、しっかり離して植えてください。

ニラは鮮度が落ちやすいので、購入後はできるだけ早めに使い切ってください。保存をする場合は、軽く湿らせた新聞紙やキッチンペーパーに包みポリ袋に入れれば、冷蔵庫の野菜室で数日間は保存が可能です。

くるめ食素材探検 vol.77

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早春のほろ苦い味覚「ふきのとう」編

文/靏久 格(産直や 蔵肆)

春の季語にもなっている「ふきのとう」その名前の通り、ふきのとうが咲いたあとは伸びてきて、春から初夏にかけての食材「ふき」となります。どちらも春の季節を表現する、山菜として日本料理には欠かせない食材ですね。

正確にいいますと、地上に出ているのは花芽と葉の部分。茎の部分は地中に伸びています。ふきはその地下茎からでてきた葉の柄の部分なんですね。同じ時期にでてくる土筆を思い浮かべていただければ想像しやすいのではないでしょうか。みょうがと同じく日陰気味で湿気の多い所を好むようです。

ふきのとうは、根本の切り口がすぐに黒く変色してしまいます。これは鮮度が落ちて黒くなっている訳ではなく、様々なポリフェノール類が豊富に含まれているからだと言われています。あの独特の苦みもポリフェノール類に由来します。

主な苦み成分は二種類、アルカノイドは肝機能を強くしてくれて、体の新陳代謝を促進する作用があります。また、ケンフェールは動脈硬化、アレルギー症状などの原因となる活性酸素や発ガン性物質を抑える効果があるんだそうです。「良薬口に苦し」とはよくいったもんですね。

選ぶコツは全体に締まりがあってつぼみがまだ硬く閉じているもの。好みにもよりますが、大きくなり過ぎた物は苦味も強すぎるように思います。大きいのしかなかったなあ、というときは軽くゆでてから水にさらしてアク抜きをするといいのですが、香りも失われてしまうので要注意。また、油で炒めると苦味はかなり少なくなります。フキ味噌なんかにするといいんじゃないでしょうか。

くるめ食素材探検 vol.76

花が咲く前は食べられます。chikugogawa.jpg

高良川の河川敷はいまが見ごろ「菜の花」編

文/靏久 格(産直や 蔵肆)

今年はぬっかですねー。雪をみらんまま春になりそうです。ふきのとうやらつくしやら、もうでとるげな。先日、左義長で高良川の河川敷にいきましたら菜の花が咲いて蝶々がとんどりました。 

菜花は、コマツナやハクサイ、チンゲンサイなどのアブラナ科の花の総称です。アブラナ科の野菜は、だいたい若いうちの葉を食べますが、収穫せずにそのまま育てると、菜花となって食用となり、最後は花がさいて種を残します。この種を搾ったのが連載第三回でご紹介した「なたね」油です。

スーパーなどで売られている菜花は、のらぼうな、かきな、ジャバ菜など、茎や葉っぱが柔らかく苦味が少ない品種です。独特のほろ苦さをいかして、生やおひたしでも美味しくいただけますが、豚肉やベーコン、ごまなど、油脂分があって香りの強いものとの相性も抜群です。茎の部分もアスパラみたいで美味しいですよ。

江戸中期に「闍婆(ジャバ)菜」という名で幕府がこの種を配付したことで飢饉から民が救われたとの記録が残っているんだそうです。なんだかすごい名前ですが、インドネシアのジャワを経由してきたオランダ船が持ち込んだとの説が。西洋野菜の多くは明治の開国以後に広まったものが大勢を占めますが、ジャバ菜は開国以前に渡来した不思議な洋菜なのです。寒い中でもよく育ち、肥料をしっかりやると一メートル近くまで育つジャバ菜。葉がしおれやすいので長距離輸送、広域流通には向かない野菜ですが、おみかけの際にはぜひ。

くるめ食素材探検 vol.75

博多雑煮にはかかせません「かつおな」編

文/靏久 格(産直や 蔵肆)kurashi2020013a.jpg

かつお菜は古くから福岡で作られてきたアブラナ科の葉野菜で、高菜の近縁種とされています。高菜類は中央アジア原産と推定されており、中国南部から日本にわたり野菜として成立したと思われます。

名前の由来は様々ありますが、旨みが多く含まれカツオ出汁が無くても美味しいという事から「カツオ」菜と呼ばれるようになった説、また、煮るとかつおの風味がするから、という説、いずれにせよ漢字で「勝男菜」と書くことから縁起物として正月には博多の雑煮には欠かせない野菜の一つとされてきました。旬は初夏と冬の年二回ですが、需要はやはりお正月にあわせて、ということでこの時期にご紹介させていただきます。主な産地は福岡県、というか県外はおろか県内でも出回らないところがあったり。

緑黄色野菜の一つであるかつお菜は、βカロテンを多く含むほか、ビタミンC、カルシウムを多く含み、またグルタミン酸やアスパラギン酸などのうまみ成分を多く含んでいます。

選ぶポイントは大きさと縮れ方。大きくなりすぎないもののほうが葉も茎もやわらかいように思います。寒さにあたってぎゅぎゅっと縮れた葉はアクが少く辛みもなく、煮ると茎からは旨みが、またほんのりとした甘味が感じられると思います。お雑煮に添えるときは、かつお菜をゆでた後、巻きすで巻いて形と水分量を整えるときれいですね。

ちなみにうちは小豆雑煮です。出雲のものとはまた違い、ぜんざいにするめと昆布の細切りを煮たものとかつお菜を茹でたものを添えて。うちも!って方、ぜひ教えてください。

くるめ食素材探検 vol.74

砂糖の原材料に使われる
「甜菜(てんさい)」編
文/靏久 格(産直や 蔵肆)
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分かりやすいよう砂糖大根と説明することもあります。確かに見た目は大根やカブのようですが、分類上はほうれん草と同じ。こんな畑一面にほうれんそうが植わっちょる!と思うとビートだったりします。原産地は地中海沿岸、日本では火焔菜(カエンサイ)と呼ばれ、江戸時代初期頃に持ち込まれたとされています。

砂糖の原料に使われる「甜菜」(てんさい)は同じ仲間にあたり、この根の部分に蓄えられている糖分を取り出して、砂糖を作ります。砂糖といえば、「さとうきび」を思い浮かべますが、ヨーロッパでは甜菜糖のことを指すことが多いようです。温帯のさとうきび、寒冷地のビート、なんですね。なんでも、全世界の砂糖消費量の約三割が甜菜糖、日本でも1/4が甜菜から作られた砂糖なんだとか。とはいえ、砂糖の原料としての利用は意外と最近、今から約270年前、1747年のことです。ドイツの化学者マルグラーフが、甜菜の根から砂糖を分離することに成功しました。サトウキビの栽培、製糖は8世紀ごろから広まっておりますので、ずいぶん最近ですね。日本に入ってきたのは明治11年、パリ博覧会に出展されていた甜菜を北海道に導入します。が、うまくいかず工場は閉鎖、ビール工場に転用されます。これが札幌観光の定番スポット「サッポロビール園」の前身です。
甜菜は糖分をしっかり含んでいるため、少々雪が降ろうが大地が凍ろうが収穫可能です。氷点下の日が珍しくない11月の北海道、農家さんはじゃがいもなど寒さに弱い作物を先に収穫、甜菜はこれから収穫、工場に運ばれます。麦・大豆・じゃがいもなどとともに、北海道の輪作体系に組み込まれている甜菜。糖分を抽出した絞りかす(ビートパルプ)も家畜の飼料として有効に利用されています。

くるめ食素材探検 vol.73

ボルシチには欠かせない、赤いお野菜です。
「ビート(ビーツ)」編
文/靏久 格(産直や 蔵肆)
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甜菜糖の原料となる「甜菜」とは同じ仲間、ですが根っこを食用にする「ビート」は区別するためにテーブルビート、と呼びます。お砂糖の原料となるくらいですから、とても甘いお野菜の一つです。

世界三大スープの一つでもありウクライナ料理の定番、ボルシチには欠かせない野菜です。もっとも、ポーランドやロシアも「我が国の料理だ!」と主張しているようですが。ボルシチの鮮やかな赤紫色はテーブルビート由来です。このボルシチ、日本には東京・新宿中村屋にロシアの作家、ウクライナ人のヴァスィリー・エロシェンコが伝え、1927年に販売されたものが本格的な始まりとされているんだとか。中村屋が広めたものはカレーだけじゃないんですね。ほかにもピクルスや酢漬け、薄くスライスしてサラダなど。綺麗な縞模様を活かすぐっと映えること間違いなし。最近では沖縄や九州でも栽培されるようになり、缶詰なども見かけますがやはり旬は今の時期。まだまだメジャーとはいいがたいお野菜ですが、お見かけのさいはぜひ一度ご利用ください。ビタミンCが豊富ですし、葉には鉄分が豊富に含まれています。また、葉酸、水溶性と非水溶性の食物繊維と数種の抗酸化物質を多く含みます。

ビートは、葉付きの物ですと、葉を先にご利用ください。根の部分は1週間ほどは持ちますが、葉の部分は足がはやいです。根っこを冷凍するときには丸ごとゆでて使うサイズに切り分けて保存を。大根なんかと同じく、竹串を刺した時にスッと刺さるか刺さりにくいかな、というくらいがベストです。すこし水分を飛ばして冷凍すると長持ちします。

くるめ食素材探検 vol.72

県内では久留米が生産量NO.1
「リーフレタス」編
文/靏久 格(産直や 蔵肆)
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レタスもいろいろありますが、大きく分けると4種類。まず見かけることのない茎レタス、よく見かける玉レタス、「立ちチシャ」とも呼ばれる種類に入るロメインレタス、葉っぱだけを収穫するリーフレタスです。今回はこの「リーフレタス」の話題をお届け。
リーフレタスは、サニーレタスやグリーンリーフレタスに代表される、葉っぱだけを収穫するタイプのレタスです。サンチュもこの仲間で、ほかにもいろいろな葉形や葉色の品種があります。原産地は地中海沿岸地域、日本ではヨーロッパの収穫時期と気候が似ている秋につくられるようになりました。しかし、サラダなど生で手軽に食べられる野菜として人気が高まったことから、今では一年中栽培されています。
日本人との付き合いは意外と古くて奈良、平安時代には食卓へあがっていたようです。よく食べるようになったのは文明開化後、明治以降です。余談ですが、日本では明治くらいまではレタスを「ちさ(萵苣)」とよび、漢字では「乳草」。この「ちちくさ」が、「ちさ」「ちしゃ」になったようです。英語名のレタス(lettuce)は、ラテン語のラクチュカ(lactuca)から。この語源は乳を意味するラク(lac)。洋の東西を問わず、ともに「乳」をイメージしてのネーミングなのですね。レタスの花言葉はやはり「牛乳」です。
レタス類全体でみると、日本ではやはり長野県が16万トン余りで第一位。久留米市は一万トン弱と国内シェアで言えば2%程度ですが県内では1位の生産量です。某焼肉チェーンからは指名買いがあるほど品質にも定評があるんだとか。葉肉が薄くやわらかで、栄養価も高く、ビタミンC、ビタミンEやカロテン、ミネラル分も豊富です。
リーフレタスは温度、鮮度が命。また金気を嫌いますので包丁よりも手でちぎったほうが切り口の変色を防ぐことができます。生食のときは、冷水にさらしておき、パリッとしたところで、水分をきって食卓へどうぞ。

くるめ食素材探検 vol.71

「ジャックと豆の木」のモデルになったともいわれる
あのお豆「なたまめ」編
文/靏久 格(産直や 蔵肆)

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なた豆(ナタマメ)はその名の通り、マメ科の植物になる実で、英語名は「ソードビーンズ(剣の豆)」。名前の通り、成長するとさやがナタのように30~50㎝ほどまで成長するのが名前の由来です。つるも6mほどまで伸び、まさにジャックとまめの木!生命力が旺盛で、グリーンカーテンとしての栽培も見られます。熱帯アジアまたは熱帯アフリカが原産、中国から薩摩に伝わり国内での栽培がひろまったようです。漢方薬としても知られており、血行促進や免疫力の向上などのさまざまな効果があるほか、昔から排膿(膿を出す)の妙薬と言われており、腎臓に良く、蓄膿症、歯周病や歯槽膿漏の改善、痔ろうなどにもよいと伝わっています。また、亜鉛、鉄、マグネシウムなどのミネラル成分が豊富なので腎機能をたすけ、体にたまった余分な水分を排泄してくれることも期待できそうです。なお、マメ科のお約束として生には毒がございます。かならず加熱してお召し上がりください。
なた豆は大きく分けて三種類、そのうち熟した豆をお茶や歯磨き粉の原料とされるのが赤ナタマメ、白なた豆は若いうちに収穫して塩漬けした後に、福神漬けに投入されます。ちなみにこの福神漬け、上野の老舗漬物店「酒悦」が江戸時代末期に考案、明治時代に入って不忍池の弁才天にちなみ「福神漬け」と命名。帝国陸海軍の隊内食・戦闘食の副食として採用されたことを契機に、兵役終了後の元兵士達によりその味が全国の家庭に持ち帰られ国民食となったんだとか。いまのように赤く着色されるようになったのは、インド料理に添えられるチャツネをイメージして色をつけたのがはじまり。カレーのお供になったのは、大正時代に日本郵船の欧州航路客船でカレーライスを供する際に添えられたのがはじまりともいわれています。

くるめ食素材探検 vol.70

ドラマの影響もあってお馴染みの野菜に「ゴーヤー」編

文/靏久 格(産直や 蔵肆)

酷暑にも耐え、真夏でも涼しげな緑色を提供してくれるゴーヤー、語源は、中国語の「苦瓜(クーグア)」から説、英語で「ヒョウタン」を意味する「Gourd(ゴード)」から説、沖縄の「合屋」さんが育てていたからなんてのもあります。もっとも、呼び名はカッタイカズラ、明治のあたりは「レイシ」の呼び名が一般的だったようです。熱帯アジアが原産で、中国を経由、どうやら沖縄で300年ほどまえから栽培、食べられていたようです。ただ、食用としてのゴーヤはもっぱら沖縄で栽培、本州では明治時代でも観賞用としての栽培が中心でした。

本格的に食卓に上がるようになったのは1990年代から。害虫の根絶で本土への出荷が可能になったことや、当時の健康ブームに乗って「夏バテに効くのは苦み」とのイメージがつくられ食卓になじんだようです。また、沖縄を舞台とした2001年のドラマ「ちゅらさん」の影響もあったんじゃないでしょうか。なんさま、皆様の口になじんて30年ほどなんですねえ。

鹿児島や宮崎などでも植物分類的には同じ種が栽培されたんですが、こちらは「ニガウリ」が訛って「ニガゴイ」(鹿児島)「ニガゴリ」(熊本)などとよばれてきました。沖縄のゴーヤーと本土のニガウリを別の作物だという人もいらっしゃいます。たしかに、食べ比べてみると苦味が違うような・・・。ちなみに、5月8日をゴーヤーの日、そしてこの数字を逆にした8月5日は裏ゴーヤーの日なんだそうです。いろんな記念日があるもんですね。

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蔵肆

くるめ食素材探検 vol.69

実はカボチャの仲間「ズッキーニ」編
文/靏久 格(産直や 蔵肆)
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今年の梅雨はどこにいった?初夏を迎え、ゴーヤー、ヘチマ、ユウガオなどウリ科植物の美味しい時期となりました。

ズッキーニ、形はきゅうり、食感はなすに似ているけれど、実はペポかぼちゃというカボチャの仲間です。ですが、蔓は無く株から長い葉を伸ばして、まるでメデューサの頭みたいな風情のお野菜です。一般的に見かける20㎝くらいのサイズのものは、じつは未熟果。ほおっておくと完熟して、成人男性の腕ほどあるものができたりします。もっとも、成熟するほどに味わいや香りが強くなっていくんだという人もいます。確かに大きくなると中央部は種ができはじめて、その周りが綿状の組織で包まれはじめるので嫌がられたりします。が、食感はやわらかく、くんにゃりとしだして、大きなものの中央部をくりぬいて肉などを詰めて焼くという調理法があるくらいなんですよ。お見かけの際は、お試しくださいませ。
あまり由来はわかっておらず、メキシコ原産なのかなというくらい。ヨーロッパに持ち込まれたのは16世紀ですが、本格的に料理に使われだすのは1960年ごろ。日本ではイタリア料理がブームとなった1980年代以降に一般的になりました。
ズッキーニは低カロリーで、体内の老廃物を排出してくれるカリウムが豊富。ビタミンCやカロテンもバランスよく含んでいます。なすやかぼちゃなどと同様、油との相性のよさは抜群で、フライや天ぷらもおすすめです。スープやラタトゥイユ、カレーなど煮込む場合も、先に油で炒めたほうがおいしくなります。油で調理すると、カロテンの吸収率アップにもつながりますしね。もっとも、カロリーもあがっちゃいますが。生で食べる場合は、皮を剥くか薄くスライスしてどうぞ。保存は常温か涼しいところがおすすめ。冷凍や長期保存には向かないので、持て余したときはキムチやピクルスなどの保存食で!

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