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落語スズメ Archive

新・落語スズメvol.12

「社会派です(笑)」

文/松田 一成

タイムリーに吉本問題(笑)。まあ、次から次に、いろんな話が出てきて、二転三転、つじつま合わせに四苦八苦、それを追い詰めて、世の中は果たして何を映しているかとういう話。勧善懲悪のストーリーに仕上げるには、主人公のキャラ不足が露呈。セコイ嘘の発端は、体制批判に、お前が言うな感を漂わせながら、御涙頂戴とは少し遠かったよう。ただ、金髪某氏の天然ぶりが、この人ほんとに素直な人なんだろうなと、テレビで本当の事を言ってしまった琴錦関の「どっちも好き発言」と重なりました。アタシも早速お茶の間コメンテーターの仲間入り。素敵です、生活には全く関係のない話を、飛び切りのエンターテナーとして金もとらずに見せてくれる世の中は。中心はテレビ。テレビは正義、テレビはモラル、テレビは生活。まだまだ世間、いや、国家を為している風情。そのテレビの強力なライバル、ネット。ある程度のポジションをこしらえてきましたが、いかんせん、全ての世代には行き届かず、まだまだテレビが前提の世界だったり、興味のある方向だけがその人にとってより深い世間になってしまう難あり。どっちもロハ(只)で楽しみ、アガペー(無垢の愛、おおげさ(笑))だと信じている我々はその対価に何を支払っているんだろうと。こんなくだらないことで大騒ぎしながら(くだらないというのは正義やモラルの押し付け)消費活動の片棒を担いでいることは織り込み済みでしょうが、それを差し引いても、今回の違和感は拭えず。これがプロレス的予定調和ならあっぱれですが、労働闘争をする芸人は笑えません。テレビやネットが映し出す現実と言われている世の中と、多少ずれを感じている、そのずれが対価(つけ)なのかなというのが今回の話。

新・落語スズメvol.10

「二朝会」
文/松田 一成

令和になってもブームがまだ続いているようで、落語CDの予約発売案内が届いた。〜『1969年7月から1974年12月まで、全29回にわたり、五代目春風亭柳朝との「二朝会」。約45年の時を経て、当時まだ30代にして既に名人の片鱗が伺える志ん朝の、華やかな高座をお聴き下さい。』〜とあった。昭和の落語四天王と呼ばれたお二人の若かりし頃(柳朝の方が9歳お兄さんであったが)芸を競い合った伝説の落語会の音源が見つかったそうだ。「二朝会」、もちろん柳朝と志ん朝の朝をとって名付けられたそうだが、最初はそんなオツな呼び方はされていなかったとも。柳朝と志ん朝の会、第一回目プログラムのご挨拶には、林家正蔵(彦六)と柳家小さんが並んでいる。そのなかで正蔵は弟子でもある柳朝の噺家廃業エピソードを記し、落語以外ではテレビに出ないと決意した志ん朝をほめている。また小さんは当時テレビで売れていた二人が、本業の噺にやる気が出たことを素直に喜んでいる。アタシには文献(笑)でしか知らなかったものが、志ん朝師が亡くなってもう18年あまり経ち、令和になって、こうやって世の中に出てきた。嬉しい。少々値の張るCD全集だが予約しようかと。だがちょっと待った。「二朝会」の音源なのに、柳朝師の演目が一席も入ってない。予定もないらしい。うーん、ブームというのはなかなか野暮な現実も突き付けます。アタシにとっては、まだ伝説の落語会のようで。
追伸、令和伝説(になるかもしれない)の落語会!兼好が!喬太郎が!歌武蔵が!5年ぶりに久留米に来る!落語教育委員会in久留米、8月23日開催決定!詳細は来月。

新・落語スズメvol.9

「裏長屋騒動記(ネタバレあり)」
文/松田 一成

「(五代目)小さん師匠から、新作落語の依頼を受けたときは夢かと思うほど嬉しかった」とインタビューに答えたこともある落語好きの山田洋次監督が、その落語の世界を芝居にしたというお話。案内には監督自身の言葉で「今回初めて、前進座と一緒に舞台を創ることになりました。落語の「らくだ」と「井戸の茶碗」をもとに、ある裏長屋で起こる騒動のお話です。〜どうぞ、ご見物の時には、舞台の俳優さんと同じ空間で、笑いや喜びを共有して、にぎやかに大声で笑いながらお楽しみください」。アタシにとって前進座といえば、女優も出演する歌舞伎くらいしかイメージのなかった劇団。その芝居に落語の主人公、嫌われ者の『馬』と正直だけが取り柄の『清兵衛』を、どう見せてくれるのかと楽しみに劇場へ向かう。あらすじは人情噺「井戸の茶碗」が縦糸となり、『清兵衛(劇中では久六)』を中心に浪人の娘『お文』と若侍『高木作左衛門』の恋模様を描いた爽やかな時代劇。落語の中では河豚に当たってすぐに死んでしまう『馬』も、芝居のなかでは意外と長生き(笑)。死人となった後も見事な踊りを(DA PUMP、U.S.Aのノリで)披露のサービスぶり。落語として頭の中で想像する世界が、目の前で軽快に繰り広げられ、違和感のあった場面転換も、気づけば芝居の間として楽しめる仕掛け。いよいよ、長唄に編曲された「寅さんのテーマ」が流れると、大向こうから「豊島屋!」の声も掛かり、山田監督「してやったり」の表情が思い浮かぶ。カーテンコールに並んだ役者さんの表情を思い出しながら、日本人の心情的大団円を素直に楽しんだ芝居見物でありました。

新・落語スズメvol.7

「茶番」
文/松田 一成

『歌奴』といえば「山のアナアナ」で聞き馴染みの三遊亭円歌師(今年3月、三遊亭歌之介師が四代円歌となる予定)を思い出される方も多いでしょう。当代(当代は四代、円歌師の歌奴は二代目)は大分県のご出身、品のある語り口に、現代感覚のクスグリで、先日も上野鈴本演芸場で主任(トリ)を取られてます。その三遊亭歌奴師が、太神楽の鏡味仙志郎師とご出身地の大分の興行に合わせて久留米でも一席持って下さいました(久大線落語会!)。そのご報告。それぞれ、落語と太神楽ご披露の後は、スペシャル!アタシも初めて、『茶番』。いわゆる寸劇、コントなのですが、カツラとほっかむり、尻っぱしょりで演じるのは忠臣蔵、五段目二つ玉の段。盗賊「斧定九郎」を仙志郎師、五〇両を持って夜道を急ぐ老人「与市兵衛」を歌奴師。真っ暗な京都山崎街道を舞台に、定九郎が与市兵衛を切り殺し、金を奪うという実に陰惨な話、それが見事にショートコントへ大変身。仙志郎演ずる定九郎、片足を大袈裟に上げて「見得」を切るが、「ツケ」を打つ歌奴師がなかなか終わらない。そうじゃないと手取り足取り始める芝居の段取りがちょっとした歌舞伎教室。見得、ツケ、だんまり(スローモーションのように大袈裟に動く様子)、面白可笑しい符丁の解説となって、古典芸能に漬かってる感(お前は漬物か!)満載でありました。お仲入り後は歌奴師の落語。講談ネタから、人情大岡裁き「さじ加減」。堅物な若医者「現益」と芸者「お浪」のラブストーリー。爽やかに語って下さいました。こんな番組を久留米で見られるなんて。来年も是非「久大線落語会」期待しております。

続けること落語スズメ 第六十七回

松田 一成

 久留米の落語会、お手伝いさせて頂いて長く続いている会が二つある。一つはこのコラムでも度々書いている『琥珀亭オトナ寄席』。次回10月7日で58回目。で今回はもう一つの会のはなし。久留米のサロン的な店を寄席に、その店のお客様同士の親睦を兼ねたような始まりであったと思う。華やかな男社会のヒエラルキーを見せられる場所で、最初の頃はやりにくうございました。エライ人が来ると、取り巻きの方もご一緒でお客様が増えるが、急に来られないとなると、その他のお客様もキャンセル続出。選挙開票日の会は、ほぼ皆様御欠席となったことがありました(笑)。社会に出た男は大変なんだな思いながら、なんとなく自分に無力感を突きつけられたようなこと多々。ママの営業努力もあり、お客様はそこそこ入るのですが、気持ちは低空飛行。そんな始まりだった落語会、ここ1、2年、空気が変ってきました。思い当たるのは、奥様同伴で参加される方が増えたこと。女性は偉大です。笑う。これが一番。旦那にこんな楽しみがあったのかと気づかれたのかしらん。それともう一つ。レギュラーで出演して下さる噺家さんがいらっしゃること。同じ噺家よりも、毎回違う演者の方がお客様には親切だという方も確かにいらっしゃいます。しかし、馴染みには、馴染みの心地良さが。これは、喋る噺家にも影響大。何より、手が抜けない。今度はどんな仕掛けでと、お客様は期待するし、前回の続きで会場の一体感はつくりやすくとも、ややもすると身内受け的なところを、かわす必要がある。一方、客の筋をつかんでいるので、いろんなことを試すことができるし、しくじっても挽回は可。まあ、やりすぎてお客様と対決することになった師匠もいらっしゃいますが(笑)。これはもう何でも一緒かも。続けるということは面倒くさく、大変なのだけれど、一番確実なこと。回を重ねることは強いことです。何より、そのことに関わる人が確実に増えて行く。それが、生業であれ、何であれ、励みであったりするところなど。くるめすたいるさん、200号おめでとうございます。
追伸
琥珀亭オトナ寄席、10月7日金曜日、
立川生志、開演午後7時、木戸2500円、連絡先:琥珀亭0942・38・0570、是非!

いいカタチ落語スズメ 第六十六回

 松田 一成

お伴で博多座大歌舞伎初体験。着物姿のご婦人方もちらほらのなか、ジャケットくらい羽織ってくればよかったかと若干の後悔、そこへアタシの名を呼ぶ旦那の声。オッサン二人で歌舞伎見物と相成った。公演前に旦那の旦那(笑)の楽屋に伺ったのだが、これはまた別の機会(多分書けません)。ロビーに戻り、イヤホンガイドやパンフレットを横目にみつつ、同じ日本人、日本の芸能、わからんこともなかろうと、ままよと座席に滑り込む。花道のちょうど真上、舞台がきれいに見渡せる。ため息が出るというのはこういうことなのかと。アタシはあの定式幕のセンス(永谷園!)に常々疑問を感じていた。アタシがヤボでした。舞台が眩しい。『忠臣蔵七段目』幸四郎の声、魁春の仕草、『英執着獅子』藤十郎胡蝶の舞、それに続く小姓のカタチ(酒を呑みながら見たかった!)。『魚屋宗五郎』菊五郎の情と酒乱っぷり。全てに思慮が及んでいる。役者の動き、衣装はもちろんのこと音、背景、間、これがほとんどの場面でキワを歩いているような感覚、極めて高次元な調和。(なので、恐ろしいことに初めて見たアタシにさえヘタクソはすぐわかるし、上手い役者には本当にあまりの美しさに思わず涙ぐんだ。)ああ。こんなことなら早くから見ておけば良かった。アタシも大向うから『高麗屋!』と叫びたかった。4時間30分にわたる壮大なオッサンコスプレショーにこんな結末が潜んでいたとは。
 帰り道、クチナシの甘い香りがいつもより余計妖しく感じたのは藤十郎のお姫様のせいです。きっと。

圓歌師のこと落語スズメ 第六十五回

 松田 一成

 『どっちかというと、落語界は、極道に近いね。うちの師匠なんかまんまヤクザだもん。その点、相撲取りは師匠を選んでいませんよ、いっちゃあプロダクションとタレントの関係。スカウトっていうでしょう、相撲取りになって下さいって、それに比べてウチは、もうこれは自分が惚れてなっちゃったんだから、師匠が黒い物を白といえば、自分も白、しくじったからって、じゃあ、他の師匠に改めて入門という訳にはいきません。』師弟愛を語る落語家のマクラ。本日その師、三代圓歌のはなし。戦後すぐ、二代目圓歌へ入門。『山のアナアナ』の歌奴で売れまくったのが今から40年以上昔のこと。現落語協会最高顧問、芸歴六十年を越え、御年82歳。なんと日蓮宗のお坊さん(本遊院圓法日信)と二足の草鞋という噂。志ん朝師に教わったという『芝浜』もネタとしてあるそうだが、創作落語『中沢家の人々』が大評判。CD(なんと65分!)にしたら落語史上初のオリコンチャートにランクイン。二千人の新宿厚生年金会館に笑いの渦をおこし、上野鈴本8月昼席は、圓歌師の恒例行事。10日間連続満員札止めは毎年とのこと。『昔は名人キラ星のごとく、圓生がいる文楽がいる、志ん生がいる、その間に自分が出るんだから、同じことやってたら、全然かなわない、だから三平(先代)はどうもスミマセンって、私も山のアナアナってやったんだよ』。そんな芸風からか、圓歌師、人情噺、名人噺好きには、若干分がワルイ。「落語を聴かない者は日本文化を語るな」と評判の小谷野敦氏に至っては、二流落語家を会長にと。ああ。『ドコにいってもスゴイと思うのよ。志ん朝師や談志師との二人会に呼ばれんの。うちのオヤジしか勤まんないよ、お客様は志ん朝、談志目当て、圓歌?でもね、お客様がね、一番笑うのはうちのオヤジの落語なの、この人の弟子で間違いなかったって、ソデで見ててちょっと嬉しいの。』先の落語家、高座を降りた後の話の続き。そういえば、4日福岡の談志一門会は圓歌師が代演だったような。
追伸
琥珀亭オトナ寄席、6月3日橘家蔵之助、桂梅團治、7月1日立川生志、いづれも金曜日、開演午後7時、木戸2500円、連絡先 琥珀亭0942・38・0570、是非!
それと生志師匠出演の『笑点』放送日は6月5日午後5時30分FBS、こちらも是非!

落語スズメ第六十四回その後

松田一成

 「楽屋が15人で客が7人だよ、ほんと笑っちゃうよ、こんな時に落語聞きにくるヤツがいるんだもん、寄席の火を消しちゃあいけねぇって。」頂いた電話から、震災当日、新宿末広亭夜席の様子。こういう時に演芸とういのは本当に弱い。不謹慎だと簡単に切り捨てることはできても、我が身一つの生業ではどうすることもできない。「大きい会からキャンセル、延期」明日は今日の続きだと思える日常じゃないと成り立たない現実が、目の前につきつけられている。ただ、そういう話をして下さる芸人さんが、えらく威勢がいい。様子がいいというのか、こんな時にこそという洒落っ気が、極めて遺憾で、素晴らしく素敵。ある師匠は自分で拵えた震災川柳を容赦なく送ってくる。もちろんここに書くのは憚れる程のものだが、状況が変わらないのなら、笑い飛ばせというのだろう。またある師匠、震災後初めての落語会、東京から逃げるのかとウシロメタサに久留米に来てみたが、こっちの方が危なかったと危機感のうすい九州人に注意喚起。テレビで見る芸人さんの業にも驚いた。国民的人気番組『笑点』でのこと。演芸のコーナー、ゲストはサンドウィッチマン。シチュエーションが不動産屋と部屋探しに来た客。番組をご覧になられた方はお感じになったと思うが、もちろん、連呼していた笑点御法度下ネタの話ではない。痛烈な皮肉に込められた東北頑張れのメッセージに、言葉の力恐るべしの思いを感じた。件の末広速報を入れて下さった師匠は『来てる客も間抜けだけれど、やってるオレも馬鹿だよね』って。いつの間にか芸人の強烈な毒気に当てられて、こういう時だからこそこうでなくちゃと、沈んでいた気持ちが少し軽くなった最近でした。

追伸
そんな『笑点』に立川生志師匠『若手大喜利』出演決定!放送日未定!(笑)多分5月中とのこと。応援宜しくお願いします。次回オトナ寄席では7月1日出演!

落語スズメ 第六十三回

松田 一成

落語物語

 セーラー服と機関銃が30年も前の映画だったと気がついて思わず苦笑。薬師丸ひろ子さん、かわいかったなあ。その映画に出演されていた噺家さんのはなし。見事なチンピラぶりで、主役の薬師丸ひろ子さんを乗せ、バイクで疾走する男。とっても羨ましかったのでアタシはしっかり覚えています。その男、林家しん平。先代三平師のお弟子さんで、二つ目の頃からテレビでお見かけしておりました。寄席ではとってもチャーミングでサービス精神溢れた芸でお客様を迎え、鈴本演芸場でその師の噺を初めて聞いたとき、あまりの日常の切り取り方の繊細さに(その時は食べ物の噺)昔、敵だったこと(含む桂木文さんの件)は、すっかり忘れて勝手に和解させて頂きました。そのしん平師、この春、一本の映画を監督として世の中に送り出した。『落語物語』。公式プレスから、『ここ数年で何本もの落語の映画が作られたのは嬉しかったけど、その世界をちゃんと描いてないと思ったんです。このままだと落語も落語家も誤解されるぞと。普段着物で過ごしてる芸人は数人しかいないし、日常会話に古くさい言葉も出てこないしね。だから僕は当たり前の落語家を描きたかったんです。』と。もうこれは期待します。あの日見た鈴本の高座が監督林家しん平のセンスなら、落語を知らない人も、マニアな落語好きも全ての人が楽しめる映画を作り上げたはず。人情喜劇と銘打ってるらしいいが、落語オタクのあたしとしては落語協会全面協力というのも気になるところ。こちら福岡ではKBCシネマで6月12日より公開とのこと。ああ、待ち遠しい!
追伸
第54回琥珀亭オトナ寄席、出演立川生志、4月8日(土)開演午後7時、木戸2500円、連絡先琥珀亭0942・38・0570、是非!

あとは流れで落語スズメ 第六十二回 

松田 一成

今冬の止めとばかりに積もった雪。昼過ぎからは高速道路も全線通行止め。その晩、久留米で落語会がありまして…あまりの降り様に中止かとの判断も、博多迄来ていた師匠より電話。『伺いますよ!』との明るい調子、アタシは不入りを詫びる言い訳ばかりを考えておりました。会場に着いてみれば、キャンセルがかなりあったにも拘らず、結構な入り。肩口に雪を乗っけたお客様が次から次にご来場。ほっとしたのも束の間、入り口から見える空模様は激しさをますばかり。今度は帰りの足の具合に頭を悩ませておりました。早めに切り上げなくてはならないだろうなと考えながら、演者の登場をを待っていると、高座を待つお客様の雰囲気が怪しい(笑)。『こんな雪の中見に来たもんね感』ともいいましょうか、少々ピリッとしている。コーヒーやビールを飲みながら開始を待つという普段の余裕がない。ううっつ、困った。客が固いのか。新たな悩みが生まれる。わざわざ来てやったもんね感なみなみならぬ中、噺が始まった。この天気を逆手に取ってのマクラから、国を憂う勇者の叫びと、仲間をやっかむ小心者の代弁に噺と笑いがとまらない(一席目牛褒め!)。芸とも本心ともつかぬ一瞬の間が客をのせる。ご想像通り。あとは流れで(笑)いつの間にか雪もやみ、仲入り後二席目、『禁酒番屋』。火の番小屋に酒を持ち込み、煎じ薬と偽った為、役人に全部呑まれてしまうという、誰を主役にしてもいい噺だ。もちろん今晩の主役はお役人。きっかけはこの天気だったのだろうが、そこを鋭く感じとった噺家の嗅覚に感嘆。『落語は緊張と緩和』との言葉は有名ではあったが、お天気迄もそれに含めるとは。打ち上げの燗酒が大変美味しゅうございました。

追伸
第53回琥珀亭オトナ寄席、出演笑福亭風喬、3月25日(金)特別ゲストあるかも!開演午後7時、木戸2500円、連絡先琥珀亭
0942・38・0570、是非!

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